この冬、山形県内では2日までに、50件以上の雪害事故があり、山形県は「雪下ろし注意喚起情報」を出し注意を呼びかけています。事故に遭わないための対策を、雪の専門家に聞きました。

屋根から勢いよく落ちる雪の塊。木の箱が、いとも簡単につぶれてしまっています。

山形県新庄市にある防災科学技術研究所・雪氷防災研究センターの根本征樹さんは、屋根からの落雪は、雪の重さと気温が関係すると話します。

雪氷防災研究センター・根本征樹さん「気温が上昇して、そういった傾向が数日続くと、屋根に積もった雪が解けた雪とか水の影響を受けて落ちやすくなる」

さらに。

こちらの実験では屋根から落下した雪塊で車の屋根がへこんでしまいました。

雪氷防災研究センター・根本征樹さん「水が絡んでいる状況ですと見た目以上に雪の重さが重いとそういったこともあり得ます」

雪下ろし中の事故は、落雪だけが原因ではありません。

屋根にのぼるためにかけたはしごが倒れ、亡くなる人も多いそうです。

雪氷防災研究センター・根本征樹さん「一人でやらない、ヘルメットを装着する、命綱をつける。基本的なところを守っていただくのが大事になると思う」

時には、住宅を倒壊させてしまうこともある、屋根に積もった雪。雪国では、雪下ろしは必要な作業です。

ただ、根本さんは、見た目だけで雪下ろしの時期を判断するのは危険だと言います。

雪氷防災研究センター根本征樹さん「雪質によって重さが違うので雪の深さ(積雪)だけでは(雪下ろしの)判断が難しい。」

そこで防災科学技術研究所では、積雪の深さなどから重さを推定して、雪下ろしが必要な地域を、インターネットに公開しています。その名も、雪おろシグナル。

地図上の黄色・オレンジ・赤・紫の地域は、雪の重さが1立方メートルあたり300キロ以上になっていて、雪下ろしが必要です。

雪氷防災研究センター・根本征樹さん「雪の重さの情報は、そうないのでこういったものを活用していただいて、適切な判断をしてただければ」

雪下ろし中の事故を防ぐのに大事なのは、適切な時期に、適切な方法で行うこと。

命を守るため十分な準備が必要です。