生まれたばかりの赤ちゃんの遺体をその母親に遺棄させた男の裁判で、検察は、男が赤ちゃんの母親に対し売春をさせていた罪や暴行の罪も合わせ、懲役5年を求刑しました。

死体遺棄教唆や売春防止法違反などの罪に問われているのは、埼玉県に住む碓井康哲(うすい・やすのり)被告(34)です。

起訴状などによりますと碓井被告は去年3月、赤ちゃんを産んだと伝えてきた女性に赤ちゃんの遺体を遺棄するようそそのかし、遺棄させた罪に問われています。

また碓井被告は、魔術師協会の「牛尾ひでき」と名乗り自宅にこの女性を住まわせて売春させたほか、叩いたり電気を流したりしてケガをさせた罪にも問われています。

これまでの裁判で碓井被告は「身に覚えがない、事実無根」として起訴内容を全面的に否認していました。

きょうの裁判で検察側は「赤ちゃんの母親の証言に不自然な点はなく、性的搾取の行為が卑劣で反省の態度が皆無」として、懲役5年と罰金30万円を山形地方裁判所に求刑しました。

一方、弁護側は「死体遺棄をそそのかしたやり取りの証拠がない」などとし、無罪を主張。碓井被告も証言台で「信じていただければ」と無罪を主張し、裁判は結審しました。

判決は来月24日に言い渡されます。