新酒の出来を競う「全国新酒鑑評会」で、福島県の日本酒は14銘柄が金賞を受賞しましたが、10回連続金賞受賞数『日本一』はなりませんでした。
今年の全国新酒鑑評会には818銘柄が出品され、このうち金賞を受賞したのは全国で合わせて218銘柄です。
その中で最も金賞受賞数が多かったのがお隣、山形で20銘柄。福島は、兵庫、長野、新潟に続いて5位で14銘柄が金賞を受賞しました。

惜しくも10連覇とはならなかった福島ですが、その要因について福島の日本酒を全国区にした立役者は「酒米が硬かったこと」を挙げています。
長年にわたって、福島県内の蔵元に酒造りの技術を指導し『日本酒の神様』とも呼ばれる鈴木賢二さん。鈴木さんは、10連覇を逃した要因に、原料の酒米『山田錦』を挙げました。

県日本酒アドバイザー・鈴木賢二さん「今年はお米がやや硬い傾向で、仕込み配合を変えて少し水の量を減らそうと言ったが、もっと減らさないといけなかった」
鈴木さんによりますと、コメが硬いと発酵させる際にコメが「溶けにくく」、薄味になってしまうため、配合する水を減らして調節するということです。今年出品した日本酒は、コメの硬さに対して水が多かったため、全体的に軽い味わいになったと分析しています。
県日本酒アドバイザー・鈴木賢二さん「実は(出穂期の)9月にとんでもなく暑い日が1日あったそうで、それによってとてつもなくお米が硬くなったというのが後から分かった」
このほか、他県の日本酒造りのレベルがどんどん高くなっていることも要因です。
去年と今年のベスト5を比べてみると、金賞受賞数は増えています。全体でも、去年は205銘柄、今年は218銘柄と、質の高い日本酒が各地で誕生しています。

鈴木さんは「今回の結果をしっかり受け止め、反省点を改善して、来年の日本一に向けて取り組んでいきたい」としています。
