「あの時、外出していなければ」

続いて被害者側の弁護士が、妻の陳述を代読した。

夫は、心臓を悪くして3年前に入院し、退院後は酒を飲むことも少なくなったという。家庭菜園を始めたのは「育てた野菜を孫たちに食べさせたい」という理由からだった。

佐藤被告はリフォームのために自宅に出入りしていたが、工事中、ほとんど1人で作業していた。人から不愛想だと思われることもあった夫だが、佐藤被告と同じ時間を過ごす中で何か感じるものがあったのだろう。佐藤被告とは会話を交わしていたようだ。

夫から「(佐藤被告は)結婚しているようだ」「子どもがいるらしい」と聞いたことを覚えている。「(佐藤被告が)帰って飲めるようにビールを持たせろ」と言われたこともあった。それだけに「私も夫も、佐藤被告が暴力的な行為をする人だとは思っていなかった」という。妻が外出している間に夫は被害に遭い死亡した。「あの時外に出ていなければと後悔している。遺影に留守にして、一人にしてごめんねと話している。夫はどんな思いで亡くなったのか、無念でならない」と後悔の念が語られた。