地球温暖化の影響で、海水温の高い南の海に生息しているはずの魚、「タチウオ」がいま、石巻市の魚市場で水揚げされています。

石巻魚市場です。石巻市の離島、田代島周辺の定置網漁で獲れたサバやブリの中に、細長い刀のような魚「タチウオ」が入っていました。
タチウオは本来、瀬戸内海など南の海にいる「暖水性の魚」で、石巻では見かけることのない魚でした。

しかし、地球温暖化の影響か、7年ほど前から漁獲が増え始めました。去年は、過去最高となるおよそ▼430トンが水揚げされ、刺し身用などに加工され、全国に出荷されています。
石巻魚市場・佐々木茂樹社長:
「昔は考えられなかったが、いまでは暖水系魚種が水揚げされることは、当然のように思い始めてきた」
海水温が高くないはずの宮城の海で、暖水性のタチウオが増えている現状に、県の担当者は・・・

県水産技術総合センター・増田義男副主任研究員:
「本来であれば黒潮は沿岸寄りを進んできますが、2017年から黒潮は大きく蛇行するようになり、その影響で宮城県の仙台湾付近まで暖水が上がって来るようになった。仙台湾で産卵しているので、この資源を大切にしながら漁獲をしていけばタチウオは獲れ続ける」


海水温の上昇に伴う海の環境の変化は、魚の生息域にも大きな影響を及ぼしています。