静岡市葵区の北部で大規模な地滑りが発生していたことが分かりました。現地を視察した静岡市の難波喬司市長は、今回の地滑りについて「深層崩壊」が起きたと分析しました。その危険性とは。

<三島乾児カメラマン>
「静岡市葵区諸子沢です。山の稜線から大きく土砂が崩れています」

文字通り、山の斜面が深くえぐられている状態でした。地滑りが発生したのは、静岡市葵区諸子沢地区。大久保沢の上流部で発生し、崩れた土砂は、1.5キロ先の市道にまで到達しました。

<坂口将也記者>
「静岡市葵区の諸子沢川です。崩れた土砂が流れてきている影響でしょうか、川は茶色く濁り、流れが非常に早くなっていて危険な状況です」

地滑りで崩れた流木や土砂などが諸子沢川に流れ込み、川の増水などを引き起こしました。


<川の近くに住む人>
「こちらに来て50年になるが初めて。いまからどうしようかと思っている。(避難所へ)行った方がよいか、行かない方がよいか。かえって、家の方がよいという場合もある。だから、どうしようかと」

この影響で、市道日向諸子沢線の一部が通行止めとなり、周辺の19世帯を対象に一時、避難が呼びかけられました。

<避難所で一夜過ごした人>
「町内会の人がいってくれたので避難した。家と違って眠れなくて。家の心配や何やらで」

静岡市内ではあまり類をみない今回の大規模な地滑り。難波市長は普通の土砂崩れとの違いを指摘します。

<難波喬司静岡市長>
「(地山の)岩の中に隙間ができて、そこにずっと水が入って、深い、深層崩壊といってもいいかもしれない、それが起きたと想定される」

深層崩壊とは、表面だけが崩れる表層崩壊とは違い、深層の地盤から崩れる規模の大きい崩壊現象です。崩れる土砂の量が表層崩壊に比べて、はるかに多いので周辺の被害も大きくなる傾向があります。

<静岡市職員>
「林道だったが一緒に崩壊した」

今回は人や建物への被害は確認されていませんが、深層崩壊は静岡県内のさまざまなエリアで発生する危険性があります。今回の地滑りは、台風7号による大雨で発生した可能性があり、静岡市は今後、復旧方法などについて検討を進める方針です。