ゴールデンウィークの最中、島田市の川で水遊びをしていた7歳の女の子が溺れ、亡くなるという痛ましい事故が起きました。川での悲惨な事故を防ぐために、私たちにもできることがあります。
島田市川根町を流れる家山川です。ゴールデンウィーク中、多くの家族連れでにぎわった川で事故は起きました。
<中井秀カメラマン>「大井川の支流、家山川で7歳の女の子が流されたということです」
5月3日、家族で川に来ていた小学2年生の女の子が水遊び中に溺れ、亡くなりました。
<目撃者>「魚とりをして遊んでいて、網が(ブロックの)間に入り、そこに(女の子が)吸い込まれた」
事故が起きたのは、このブロックの辺りだといいます。
<篠原大和記者>「きょうは水の勢いが強く感じますね」
<静岡県 島田土木事務所 塩澤孝洋川根支所長>「先週の雨で水量もかなり多くなっている。こちらの構造物は根固めブロックといいまして、河床の低下を抑えることで河川の護岸や上流にある橋を守るために横断的に設置してあるブロック。根固めブロック同士の間には隙間があります。経年劣化などによって何かしらの損傷が窪みが大きくなって、窪みにはまって事故が起こったというふうに推測されます」
川の中に敷き詰められた根固めブロック。事故が起きた場所のブロックは5年前に新しくしましたが、時間が経ち、何らかの原因で人ひとりが入り込めるほどのすき間ができていました。
<静岡県 島田土木事務所 塩澤孝洋川根支所長>「川の中の構造物のまわりは、流れがかなり不規則になる。河床もかなり深くなっているところもある。ブロックの付近では子どもを遊ばせないように大人の方はお子さんから目を離さないようにしていただければと思います」
川を管理する県の島田土木事務所では、事故後、砂利や石ですき間をふさぎ、川の水量が減る冬場にあらためて調べる予定です。
富士宮市で川のレジャーガイドをしている会社です。代表の佐野さんは県の消防学校で川の事故の救助方法などを指導しています。
<ナチュラルアクションアウトドアツアーズ 佐野文洋代表>「川で遊ぶ時に一番大事なのはライフジャケットを身に着けることだと思います。もし、水の中に入ってしまっても、気道を確保する、頭を水面上に持ち上げることが大事」
水深が浅く、流れが緩やかな場所でも、足を滑らせて転び、下流へと流された場合、その先で予期せぬ危険が待っている可能性があるといいます。ライフジャケットを正しく装着し、頭を水面より上に出し呼吸ができれば、溺れるリスクを低くすることができます。しかし、ライフジャケットがあれば安心というわけではありません。
<ナチュラルアクション アウトドアツアーズ 佐野文洋代表>「水が白く見えるところは空気の含有率が40〜60%と言われている。浮力が半減するから注意が必要。コンクリートブロック群や倒木は体は引き止められてしまうけど水は流れ続ける。ずっと水圧を受け、脱出するのが非常に困難。そういった場所の近くや上流側で遊ばないことが大事」
川をはじめ、自然環境の中に絶対の安全はありません。
<ナチュラルアクション アウトドアツアーズ 佐野文洋代表>「そこで起こるかもしれない最悪の状況を想定して、常にそれに備えて遊ぶべきだと思います」
事故を防ぐためには考えられる危険を想定し、少しでもリスクを減らす意識が大切です。