静岡県は4月28日、熱海市の土石流の起点で、崩れずに残った盛り土の排水対策工事に着手しました。

 熱海市伊豆山地区の土石流の起点となった現場には、今も崩れずに残った盛り土がおよそ2万立方メートルあるとされ、安定性が低く、雨によって崩れる恐れが指摘されています。静岡県は梅雨入り前に応急的な対策が必要として、28日から残った盛り土の排水工事に着手しました。盛り土の地下に水がたまらないようにするのが目的で、地中に配水管を埋めることで水を集め、水路をつたって離れた沢へ流すということです。この応急対策は、当初ゴールデンウィーク明けの着工を予定していましたが、施工業者の段取りが早く進んだことから前倒しで実施し、5月中には完成する見込みです。残った盛り土をめぐっては、4月に熱海市が盛り土を造成した前の所有者に安全対策を求めた行政指導文書を送っていて、指導に従わない場合は本格的な排水対策や土の撤去工事などの行政代執行も検討しています。