ウクライナ情勢の緊迫化で外国から輸入している水産物の流通に大きな影響が出ています。ノルウェー産サーモンが品薄となる中、静岡産ニジマスの需要が高まっています。
<天野大輔記者>「富士宮市の養殖場では、きょう出荷するニジマスの水揚げ作業が行われています。今、この静岡県産のニジマスに注文が殺到していると言います」
北米原産のサケの仲間で、日本各地で養殖が行われてるニジマス。静岡県は全国の養殖収獲量の5分の1を占める国内一の産地です。豊富な湧き水に恵まれ、温暖な気候の静岡県はニジマスの養殖に最適で、富士宮市を中心におよそ20軒の養殖場があります。
<白糸滝養魚場 秋山徳浩代表>「(例年に比べて注文の量は?)多いですよ。倍くらいじゃないですかね。(忙しいですか?)はい」
水揚げしていたのは「紅富士」と名付けられた静岡県を代表するブランドニジマスで、濃い味と歯ごたえのある食感が特徴です。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ヨーロッパからの空輸が滞り、今、ノルウェー産サーモンの流通量が減っています。そこで、国内産の養殖サーモンの需要が高まり、静岡産のニジマスにも注文が集まっています。富士宮市にある漁協の施設では、それぞれの養殖場で水揚げされたニジマスの出荷作業が進められていました。
<富士養鱒漁業協同組合 販売課 八木俊哉主任>「きょうだけで大体230本位の出荷量となっている。例年だと100本弱なので、大体2倍位の出荷量となっている」
3月の「紅富士」の出荷量は2021年の3月と比べて1.5倍、2020年と比べると2.5倍以上になっています。ホテルやレストランなどでノルウェー産の代わりに生食用としての需要が高まっているものとみられます。
<富士養鱒漁業協同組合 販売課 八木俊哉主任>「これを機に需要が増加しているので、少しでも多くの方に使っていただいて、今後、出荷量を今のように伸ばしていけたらいいなと思っている」
多くの人に静岡産ニジマスの美味しさを知ってもらい、需要が続いてほしい。養殖業者たちは期待しています