1966年、静岡県旧清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」の再審=やり直しの裁判の判決が9月26日午後2時から静岡地方裁判所で言い渡されるのを前に、静岡市葵区にある裁判所周辺は、傍聴券を求める人で朝早くから長い列ができました。
「袴田事件」は1966年6月、旧清水市(現静岡市清水区)でみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、袴田巖さん(88)が逮捕され、一度は死刑が確定しましたが、2023年に再審が認められ、静岡地方裁判所で2024年5月まで15回にわたって公判が開かれてきました。
争点は袴田さんの犯行着衣とされてきた「5点の衣類」が捜査機関によってねつ造されたものかどうかで、検察は「ねつ造は不可能」として袴田さんに死刑を求刑。弁護側は無罪を主張しています。

26日は午後2時からの判決言い渡しを前に、40枚の傍聴券に対して、朝から裁判所周辺には502人が集まりました。予定された午前9時半より前から整理券を配布。抽選の結果、傍聴席が割り当てられます。
午前7時から並んだという男性(54)は「自分が生まれる前の事件。きょうは歴史的な日なので興味があって並んだ」と話し、法科大学院で学ぶ東京都内の女性(23)は、「(袴田さんは)47年間、獄中生活を送るという想像を絶するような生活を強いられてきた。冤罪が晴らされる歴史的な瞬間に立ち会いたい」と語りました。