香川の水不足を解消するために作られた香川用水は、供用開始から半世紀近く経っています。南海トラフ地震も懸念される中、その香川用水では耐震補強工事が行われています。

香川用水で、現在大規模な工事が行われている三豊市財田地区です。

(茅原淳記者)「香川用水の東部幹線水路です。のり面にコンクリートを注入して補強する耐震工事が行われています」

水路のすぐそばに民家があることから、南海トラフ級の地震が発生した際に、水路ののり面が崩れないようにという工事です。

2020年から工事が行われているのは、香川用水の全長約106キロのうち、吉野川から水を取り入れる徳島県三好市の取水工から、まんのう町にある香川用水の水位を調節する堰・土器川チェックまでの約23キロ区間の8か所です。

水資源機構が耐震と老朽化対策のため38億円を掛け実施しています。

今年10月からはそのうち三豊市財田地区と香川県まんのう町の2か所で工事が始まっています。


まんのう町の土器川チェックでは、水路を支える柱を太くし、鉄筋を追加するなどの補強工事が行われています。

高知県の早明浦ダムに貯めた水を徳島県の吉野川の中流から取水している香川用水。

香川県の長年の懸案だった水不足解消ため整備が進められ、1978年に全線での通水が始まりました。

香川県のほぼ全域に農業・工業・水道用として、年間約2億4700万トンの水が供給されている重要なライフラインです。

(水資源機構香川用水管理所 南保正俊所長)「南海トラフというふうな報道も踏まえてですね、やはりいつ来るかわからないものに備えるのも用水の安定供給を継続する水資源機構とすれば、それが私たちに課せられた使命というふうに考えているところです」

通水開始から約半世紀、香川県民の生活になくてはならない香川用水の耐震補強工事は、来年度まで続きます。