倉敷市に住む小学6年生の女の子とその母親が、2年間伸ばし続けてきた髪を2人揃ってバッサリと切りました。その長さは35センチ・・・きっかけは、重い病で亡くなった祖母の存在でした。

日曜日、倉敷市水江の美容室です。

美容師が少しずつ束ねた髪をハサミで切っていきます。

(石野愛華さん)
「緊張しています。これがうまく皆に寄付できたらうれしいなと思っています」

■小学6年生が35センチの髪を切る理由

病気や事故などにより髪を失った子どもたちのために、寄付された髪の毛でウィッグを作り提供するヘアドネーション。

6月12日、この活動に参加するため髪を切ったのは、倉敷市に住む小学6年生の石野愛華さんと、母親の由香里さんです。

2人が参加したのには特別な理由がありました。

(石野愛華さん)
「おばあちゃんが悪性リンパ腫というがんで、髪が少なくなってしまって」

■抗がん剤で髪を失った祖母と過ごして

去年4月にこの世を去った愛華さんの祖母、岡竹智恵美さんです。抗がん剤の副作用で髪が抜ける祖母の様子を間近で見ていたといいます。

(石野愛華さん)
「帽子をかぶって頭を隠すくらいに(髪が)薄くなっていました」

その時に由香里さんの脳裏に浮かんだのがヘアドネーションだったといいます。

(石野由香里さん)
「子どもたちも同じように病気を持っている子がいて、その子たちのためにヘアドネーションをして、30人の方の髪の毛を集めてやっと1人分が出来るんだということを知ったんです。その1人分の足しになればいいなと思って」

(愛華さん)
「もし人のためになれるなら私もやりたいな」

■自分の髪を、病と闘う子どもたちのために

一昨年の7月から髪を伸ばし始めた愛華さん。あごの辺りまでだった髪は約2年で35センチまで伸びました。

(石野愛華さん)
「髪を洗う時に髪がからまったり、体を洗う時に髪の毛が邪魔になったり、寝るときに他の人に踏まれたりしたけれど、デメリットだけでなく髪型を変えたりいろんな方法にしたのも楽しかったです」

2人が髪のカットを依頼したのは倉敷市水江にある「空と色美容室」です。5年前の開店当初からヘアドネーションの活動に協力しています。

(空と色美容室 大角栄治さん)
「長く伸ばすのも結構手入れが大変だったりするので、感謝の気持ちを持ってハサミの第一刃は入れさせてもらってますね」

極端なダメージヘアでなければ、誰でもヘアドネーションへの参加は可能だといいます。

約1時間かけて2人のカットが終わり、愛華さんはショートボブの髪型になりました。

(石野愛華さん)
「久々に首もとが見えてめっちゃスースーする」
(記者)
「ヘアドネーションってまたやってみたい?」
(石野愛華さん)
「きょうやってみて結構時間がかかったから、やっぱり数十回じゃなくて2・3回とかでいいなと思いました」

約2年間の努力の結晶となった2人の髪は、大阪にあるNPO法人に送られ医療用の子ども向けウィッグに加工されるということです。