これからの季節に気になるのが、紫外線です。日焼けやシミの元になるといわれ、化粧品メーカーなども、UVケア(紫外線対策)や美白ケアのための商品開発に暇がありません。
その紫外線に関わる「メラニン」という物質について、京都大学と岡山理科大学などの合同研究チームは、「メラニンの生合成には、銅だけでなく亜鉛も必要不可欠だ」とする研究結果を世界で初めて発表しました。
今後、紫外線カット効果が高い、新たな日焼け止めが開発されるかもしれません。
研究は、京都大学大学院 生命科学研究科の神戸大朋准教授や岡山理科大学の安藤秀哉教授らの研究チームが行ったものです。今回の発表では、メラニンと亜鉛に新たな関係性が見られたことが示されました。
そもそも、「メラニン」って何?
メラニンは、皮膚や毛髪、瞳の色などを構成する黒色の色素のことで、紫外線から肌を守る重要な物質です。そのため、紫外線を多く浴びると体内で過剰にメラニンが作られ、日焼けしたりシミができたりします(皮膚に含まれるメラニンが多いほど、肌は黒く見える)。

70年以上前の研究から、メラニンの生合成には「チロシナーゼ」と呼ばれる酵素群が機能することが知られていて、これまで、その活性化には銅のみが重要であるとされてきました。しかし、今回の研究で、メラニンの生合成には銅のみならず亜鉛が重要な役割を果たすことが明らかになったのです。