(古川豪太記者リポート)「35周年を迎えた瀬戸大橋を飾るハート型の額縁のようなモニュメント。新たなフォトスポットとして期待されています」

きのう(9日)行われた35周年記念のツアーは10分で完売。県の内外から訪れた人が特別な景色を楽しみました。

(広島県からツアーに参加)「最高でした。なかなか列車と海を一緒に(写真に)入れられる場所はないから」

(兵庫県からツアーに参加)「普段撮れない位置から撮れるというのは、瀬戸大橋の中という特別なところはすごくよかった」

1978年に工事が始まり総事業費、約1兆円、10年の歳月をかけて建設された瀬戸大橋。世界最大級の道路・鉄道併用の橋として地域の暮らしや物流を支え続けてきました。

しかし、一方で高すぎる通行料金の設定で利用は長年低迷。現在は開通当時の3分の1まで値下げされましたが、いまだ料金は、一般高速道路の同じ距離の約2倍です。利用客の増加を目指す一方で、維持管理の財源確保と通行料金にジレンマを抱える瀬戸大橋。きょう(10日)、香川県の池田知事は現在の料金を維持すべきとの方針を示しました。

(池田豊人香川県知事)「料金水準についてはこの水準を継続することが妥当な対応だと」

岡山・香川の大動脈として35歳を迎えた瀬戸大橋。夢の架け橋を維持するため多くの課題を抱えています。

【スタジオ】開通からきょう(10日)で35年を迎えた瀬戸大橋。岡山・香川間の通勤・通学者が約3.4倍に増加し、物流拠点が相次いで誕生するなど、莫大な経済効果が見られました。

一方で、通行料金は長年、模索が続いています。本四高速は、2014年に料金水準の引き下げを10年間実施することを決めましたが、その期間が来年3月に終了します。岡山大学の中村教授は、「現在の料金が利用者に浸透しており、引き下げは延長すべき」と指摘している一方で、JR四国は、来年5月に瀬戸大橋線の運賃の値上を発表しています。