値上げの春です。4月に値上げされる食品の数は約5100品目と、2月に次ぎ今年2番目の多さとなっています。ヨーグルトやプリンといった乳製品、卵も高騰し、マヨネーズは2年前の1.4倍の価格になっています。

さらに公共交通機関や運送・電気料金など生活に関わるものが幅広く値上がりし、家計の負担は厳しさを増しています。

(街の声)
「なにもかもが高い。年金生活でしょう…」
「電気代なんてまあある程度節約できても、食べることっていうのは食料品をどうにかしてほしい」
「まあ食パンも一番安い物を買います。日常生活だからそういうところを節約しないといけないから」

市民から聞こえてくる値上げへの悲鳴。

公共交通では、新幹線のぞみ・みずほの指定席特急料金も。岡山から新大阪や広島へは110円の値上げです。

運送では、ヤマト運輸が平均約10%、佐川急便は平均8%の値上げです。

高騰していた電気代は今月こそ政府の施策で標準的な家庭で2800円程度値下がりしましたが、電力会社はさらなる値上げの申請を行っています。

(街の声)
「電気代も2000円ちょっとだったのが、3000円、4000円になった」
「引き抜いているよコンセント。テレビ見ない部屋は」
「以前はシャワーで洗う時、水をずっと出していた。今はちょっと洗ったら寒くても止めてはまた出してという感じ」

民間調査会社の帝国データバンクによりますと、4月に値上げされる食品の数は5106品目と、2月に次ぎ今年2番目の多さとなっています。

岡山市北区にある「グランドマート」です。店頭で目立つのは生乳や卵など、特定の原料価格の上昇をうけた商品の値上げです。さらに、卵については鳥インフルエンザの流行も追い打ちをかけています。

(買い物客)「値段がだんだん高くなってきて。絶対毎日使う物だから、なかなか…」

キューピーと味の素は、原料に卵を含むマヨネーズの値上げが続いていて、2年前の1.4倍近い水準です。

(買い物客)「値上がりはよくしてますよね。本当に見てびっくりです、何もかも」

乳製品では地元企業も。岡山市のオハヨー乳業はプリン・ヨーグルトなど16の商品を値上げしました。飲むヨーグルトは5円値上げで155円、焼きプリンは10円の値上げと、商品ごとに5円から20円ほどの値上げとなっています。店では顧客離れを防ぐためにも経営努力を重ね、なるべく商品価格を抑えて提供しています。

(グランドマート津高店 岡本和恵さん)
「できる範囲のところで調整というんですかね、価格にきちんと転嫁できるものはさせていただいて。でも地域のスーパーとしてがまんするべきところはしていって、うまいバランスをとりながらやっていきたいな」

消費者にとっても小売店にとっても厳しい値上げの春。この状況はしばらく続くと見られています。

【解説】
まさに前例のない、値上げの春。その要因は
・新型コロナによる景気の悪化
・ロシアのウクライナ侵攻による原材料価格の高騰
・急激に進んだ円安の影響
などです。

今後、値上げの動きはどうなるのか...帝国データバンクの調べによりますと、今年は去年に続き「値上げされる品目が、累計2万品目を超えることが確実」となる見通しで、年の後半にかけて、さらに負担は重くなる可能性が高いということです。今年度の家計の負担は、昨年度に比べ、「1年で約2万6千円増える」と試算されています。

今後、政府が考えている値上げ対策についてですが、今年に入って、「電気やガス料金の補助」や「低所得世帯へ3万円給付」など、2兆2000円の支出を決定しています。ただ、日本商工会議所が中小企業に行ったアンケートによりますと、現在の物価上昇をカバーするには、「4%の賃上げ」が必要だということで、いまだ追いついていないというのが現状と言えそうです。