残された時間で次の世代へ

(東洋産業 大野竜徳さん)
「今まで生活していた暗い水底から、無限の広さの空へ。世界は広いですが、命の灯はすでに風前の灯。

せっかく飛び立ったので、地上の食事を味わい、のんびり世界を観光して見識を広げ…なんて暇などありません。

残された時間の中で、成虫の大きな仕事は、交尾して卵を産み、次の世代につなぐこと。それが、すべて。

この時期生まれた卵は春になるまで水の中。春に孵化した幼虫は水底で有機物を食べながら成長し、成虫まで約半年くらい。

そして待望の成虫になってからの大半の個体は数時間の命です。それまで約1年かけて成長して、ようやく成虫になったと思ったら、あとは一瞬。

羽化! 飛ぶ! 出会う! 交尾! 産卵! 終了、サヨウナラ!…くらいのスピード感です」