人間の体内時計にも個体差がある
研究グループが指摘するのは、ハエの世界だけにとどまりません。人間の体内時計にも朝型・夜型など生まれつきの個体差があります。
しかし、現代社会では、すべての人が学校や仕事の「同じ時間」に合わせることを求められます。自分の生まれ持ったリズムと社会のルールがズレてしまう「ミスマッチ」が、気づかないうちに深刻な影響を及ぼしている可能性を、今回の発見は強く示唆しています。
岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の相川紗英さんはこう語っています。
「もともと昆虫は苦手でした。それがどういうわけか、ハエの研究を始め、夢の中でもハエを数え続けるほど、狂気な日々に……当時は想像もしていませんでしたが、その執念が体内時計の重要性を明らかにする大発見へとつながりました。将来、教科書に載ってもおかしくない成果を出せたことを心からうれしく思います。人間、何がキッカケで人生が変わるかわからないですね」
約24時間という地球のリズムに体を合わせること。それは生物の進化の歴史が積み上げてきた、生き残るための根本的な条件だったのです。
この研究成果は、2026年8月10日にアメリカの科学誌「iScience」に掲載されました。論文名は「Brain circadian clock neurons drive fitness advantages in Drosophila」で、著者は相川紗英、田村彰一郎、三村真紀子、吉井大志の各氏です(DOI: https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.117125)。>










