レーザーでメスバウアー分光を実現
今回、岡山大学学術研究院先鋭研究領域(異分野基礎科学研究所)の平木貴宏助教(特任)、吉村浩司教授、吉見彰洋准教授、増田孝彦准教授らを中心とする国際共同グループは、波長148 nmの真空紫外レーザーをトリウム229を含むフッ化カルシウム結晶に照射し、トリウム229原子核の低エネルギー遷移を直接調べることに成功しました。
結晶中のトリウム229は、周囲の原子がもたらす電場に勾配がある場合、基底状態が3つ、励起状態が2つに分裂します。真空紫外レーザーの周波数を変えていくと、基底状態と励起状態のエネルギー差とレーザーのエネルギーが一致(共鳴)したときに原子核が励起されます。
この分裂の大きさがトリウム229の周囲の環境に依存することを利用し、周囲環境の情報を読み取ることができます。
平木助教はこの成果についてこう語っています。
「トリウム229は、レーザーで直接操作できる可能性を持つ、非常に珍しい原子核です。今回、結晶の中でトリウム229がどのような場所に入り、どのように振る舞っているのかを、原子核自身をセンサーとして利用して調べることができました。高精度固体原子核時計の実現には、結晶の中の環境を理解することが欠かせません。今回の成果は、そのための大きな一歩です。」










