中学生に、身近な海を取り巻く環境問題について考えてもらいたいと、玉野海上保安部が瀬戸内市の中学校で出前教室を行いました。


(玉野海上保安部 三鍋建都さん)
「廃船は、素材であるFRP(繊維強化プラスチック)がそのまま残るという悪影響だけではなくて、エンジンに残った油も海に流出してしまう。」


学校脇の水路に放置された小型船がもたらす悪影響について、牛窓中学校の生徒たちに教えるのは、玉野海上保安部の海上保安官です。


岡山県は、「放置された船の数」が全国でも2番目に多く問題となっていることから、「身近な海の現状を知ってもらいたい」と行われたものです。


授業では、家庭に「あるもの」を水に流すことによって、どのくらい水が汚れるかも調べました。


(海上保安官)
「色が濃いと魚は棲めません。お酒を混ぜた水は無理です」


生徒が持ち寄った洗剤や調味料などを水に混ぜて、生活排水を再現しました。


水に溶け出した有機物を薬品と反応させ、その色の変化度合いで汚れ具合を測る実験です。


(牛窓中学校生徒)
「普段普通に使っているものが、検査したらめっちゃ汚いんだなと思って、とてもびっくりしました。」


(牛窓中学校生徒)
「放置艇を見慣れていて、何とも思っていなかったのですが、危険さを感じました。」


(玉野海上保安部 三鍋建都さん)
「身近にある環境でしたら、当たり前だと思うようになってしまいます。海洋環境について詳しく知ってもらうことで、きれいな海を未来に残せると思います」


玉野海上保安部は今後も海の近くの学校で出前授業を行い、美しい海を守り、未来に残す大切さを伝えていきたいと話しています。