自閉症で幼いころから意思の疎通が苦手なうえ、視野が狭くなる難病と闘いながら絵を描き続けている画家・本村卓空(もとむら・たっくう)さんの祈りをテーマにした絵画展が岡山市北区のギャラリーで始まりました。

(本村卓空さん)
「般若心経の『空』の理論を262文字で書いた絵です」

独特で鮮やかな色遣い。神や仏などを描いた約100点の作品が並んでいます。描くのは北九州市出身の画家・本村卓空さんです。

自閉症で意思疎通にハンデがあるほか、網膜に異常が起きる難病の影響で視野の96%を失っています。

針の穴ほどの視界の中、仏の絵を描き続ける姿は、家族から見れば何かに救いを求めているかのようだといいます。

本村さんのサポートをするのは姉の、みのりさんです。

(本村卓空さんの姉 金山みのりさん)
「本人はすごくしんどそうなのに絵がこんなに明るくて、視野が狭い中で一本の線を引くときも何度もなぞるように描くんです。丁寧に描いているなって思います」

数学者にあこがれていたという本村さん。今回の作品展では、数字などをモチーフにした新たなジャンルの作品にチャレンジしています。

(本村卓空さん)
「私が描いた絵を見てくれた人たちが笑顔になってくれたら嬉しいです」

明るい色彩と画風で人々に癒しを与える本村卓空さんの「祈りの絵画展」は、今月(10月)14日まで岡山市北区幸町のアート&ジョブセンターで開催されています。