元日営業30年 個人ケーキ店の思い

現在も多くの個人店は休みを取るが、中には明確な目的を持って元日営業を続ける店もある。

熊本市南区野口の「トランテアン」はオーナーシェフの川井一弘さんが1人で切り盛りする店だ。

今年で30周年。毎年、初日の出が昇る前からオーブンを温める。

1月1日の店内

元日営業のきっかけはシンプル、客からの要望だった。

川井一弘さん「お客さんから『1月1日に誕生日ケーキを買いたいんですけれど、お店は開けないんですか?』と聞かれてね」

「頼まれると、断れない性格なんですよ。長く続けると、“元日は仕事”と体が覚えます」

その噂が噂を呼び、以来30年、元日にケーキを予約する客が絶えない。最近はインターネットの情報を頼りに飛び込みでやって来る客も多いようだ。

元日のケーキ店

2026年1月1日。今日も、誕生日ケーキを求める客が次々とやってきた。

20代(息子が5歳の誕生日)「今までは大手チェーンのケーキを買っていましたが、違うケーキを買ってみたくて予約しました。息子が生クリームが苦手なことと、クッキーを乗せたかったので、こういった要望に応えてもらえるのがありがたいですよね」

40代(母が誕生日)「なかなかケーキが食べられなかったので助かります。正月は和食が多いので、3時のおやつに。クリームが欲しくなるので」

「誕生日の人がいる限りは、やっぱり休めませんね。元気なうちは続けますよ」と川井さん。

インタビュー後間もなく店のドアベルが鳴り、次の客を出迎えた。