物価高の中、学生の暮らしを支援しようと福岡市内の大学が朝食を100円で提供する取り組みを始めました。一人暮らしの学生にとっては大変ありがたい取り組みです。運営会社は、豚肉の輸入先を変えるなどしてコストを抑えました。

◆経済支援と生活リズムの一石二鳥?

福岡工業大学(福岡市東区)の食堂を6日に訪ねると午前8時の開店直後からおなかをすかせた学生が続々と訪れていました。

RKB吉松真希「コロッケにきんぴらゴボウ、みそ汁などのバランスのとれた定食、値段はなんと100円です」

学生のお目当ては「100円朝食」です。総菜やサラダが付いた日替わり定食かカレーライスが6日から期間限定で100円で提供されています。福岡工業大学の狙いは、学生の暮らしを経済的に支援するとともに、新学期にあわせ朝型の生活リズムを身につけてもらうことです。そのため、この「100円朝食」のキャンペーンを9年前から定期的に行ってきました。

学生「安くておいしいしボリュームがあって最高です。卵や生活雑貨の価格が上がっているのでありがたい」

◆学生寮の“食事”にも値上げの波

「100円朝食」は同窓会と保護者の団体が費用の一部を負担しています。今年は物価高の影響で食材費があがったものの運営会社の協力によって例年通り100円で提供できました。運営会社によると今回は豚肉の輸入先を変えたり食用油の仕入れを系列店と同じにしたりして何とかコストを抑えたということです。

物価高の影響は学生の暮らしにも広がりをみせています。福岡大学(福岡市城南区)が指定する「学生寮」は先月まで朝食と夕食をあわせて1日820円で食事を提供していました。その食事を今月から80円値上げしました。全国大学生協連によると、去年の仕送りの平均額は1人暮らしの学生の場合、6万7650円でした。統計を取り始めた1982年以降で最も少なくなっています。さらに初年度は入学金などもかかるため、保護者の負担はより大きくなっています。