横田家に1匹の犬 父の日課となった散歩で…
父・滋さんは、残された双子の弟が心を病んだり道を逸れたりしないようにと、1匹の犬を飼い、家庭の雰囲気を明るくしようとした。
毎朝、毎夜、散歩を日課にしていた。
拓也さんは1度だけ、父と一緒に海沿いの松林を散歩している時に「もしかしためぐみさんが事件に巻き込まれて、制服のボタンや靴の片方が松林の中に転がっているのではないかと思っている」と父に言ったことがある。
横田拓也さん
「『自分もそうやっていつも散歩してるんだ』ということその瞬間父が答えてくれました。普段の生活の時間帯の中ではそんなことは私たちには一言も言いませんでしたけれども、その短い会話の中でいかに苦しい思いで毎日散歩をかってでていたというのはこういうことだったのかという風なことを知った時に、決して大人や目上の方に使う言葉ではありませんが本当にかわいそうでならなかったです。子供から見て」
母・早紀江さんは、新聞や雑誌、テレビでめぐみさんに似た女の子が出れば必ず連絡して、どこで撮った写真かを聞き、週末に家族で当てもなくその街を歩いた。
ある時、新潟県警から若い女性の遺体が上がったので確認してくださいという連絡があった。
両親は警察に向かい、数時間して帰ってきて、めぐみさんではなかったと言った。
横田拓也さん
「今、私は子を持つ親の立場ですけども警察からかかってきた電話に対して自宅から警察に向かう時のその足の重さっていうのはどんなものだったかなと思います。どれだけ辛かっただろうかと思います」
ほっとしても、また何も分からない時間が繰り返しやってくる。







