福岡県北九州市の学校給食をめぐり、SNS上でイスラム教徒=ムスリムに対応した給食が提供されたという誤った情報が拡散されています。

北九州市教育委員会は会見を開き、市に1000件を超える苦情が寄せられたと明らかにしました。

SNSで誤情報拡散「「ムスリムに対応した給食が実施された」

北九州市教育委員会によりますと、今年2月、北九州市内の学校では2日間限定でアレルギーの生徒に配慮した「にこにこ給食」を提供しました。

大豆や牛乳などアレルギーを引き起こすおそれがある28品目を除いた献立で、28品目の中にはムスリムが食べられない豚肉も含まれていました。

SNS上では、「ムスリムに対応した給食が実施された」などの誤った投稿が拡散。

市には、この6日間でメールや電話などで1000件を超える苦情が寄せられたということです。

北九州市教育委員会 太田清治 教育長
「ムスリムの子供たちに特化した給食を提供したという事実はございません」


太田教育長は会見でこのように述べ「みんなで食べられる給食を目指す中で、結果としてムスリムの子供たちも一緒に食べられる機会が増えている」と説明しました。

”ムスリム給食”過去に陳情も、廃案に

ムスリムの給食をめぐっては、おととし6月、北九州市議会でイスラム教の信者=
ムスリムの小学生に対し豚肉などの除いた給食を提供するよう陳情がありました。

しかし継続審議となったのち、市議会が改選されたため、今年2月に廃案となっています。