福岡県吉富町の職員がパワハラを受けたという遺書を残して自殺を図った問題で、第三者調査委員会は14日、「町長のパワハラがあった」とする調査報告書をまとめ町に提出しました。

一方、町長の言動と職員の自殺行為との因果関係については、「認められない」と否定しています。

14日午前、吉富町役場では、弁護士や医師3人で構成される第三者調査委員会が花畑明町長(69)に報告書を手渡しました。

吉富町ではおととし9月20代の男性職員が、花畑町長や上司からのパワハラを訴える遺書を書いて自殺を図りました。

職員の命に別状は無く、現在は休職しています。

町は去年4月、第三者委員会を設置、関係者への聞き取りなどを行ってきました。

14日に提出された報告書によりますと、2022年2月ごろ、町長が男性職員を町長室に呼び出し叱責した行為についてパワハラと認定しました。

町長の具体的発言は認定しなかったものの、「町役場の長である町長自身が、管理職でもない職員を直接呼び出し直接指摘・叱責すること自体が、業務上の必要性に乏しく、男性職員にとって大きな精神的負荷となる。極めて不適切な行為」としています。

一方、町長の言動と男性職員が自殺を図った時期は1年半以上離れていることなどから、パワハラ行為と自殺行為との間に「相当因果関係は認められない」としました。

パワハラが認定されたことについて花畑町長は、「真摯にかつ重く受け止めている」と話しているということです。

吉富町は、対応を検討したうえで2月18日に記者会見を行う予定です。