サッカースタジアムの整備を目指している鹿児島市の下鶴市長が、候補地としていた鹿児島港本港区の北ふ頭での整備を断念する考えを、正式に表明しました。
(下鶴市長)「早期の整備に向けて当地での検討は、白紙に戻すことを決断した」
下鶴市長が13日、正式に断念することを表明したのは、北ふ頭へのサッカースタジアム整備です。県には12日に断念の方針を伝えたということです。
事態が動いたのは今月11日でした。塩田知事が休日の市役所を訪れ、下鶴市長と非公開で面会し、「北ふ頭以外での検討」を提案しました。
(塩田知事)「ほかの場所を探すということも、必要になってくるのではないかと話した」
北ふ頭へのスタジアム整備は、それまでの3つの候補地が白紙になった後に、市が去年6月に打ち出した案でした。しかし、港湾機能の維持や賑わい創出の点で土地を所有する県と市の協議はこう着状態に。
さらにJリーグは、今シーズンJ2に昇格した鹿児島ユナイテッドFCに「J1昇格後、最大8年以内のスタジアム新設」を求めていて、下鶴市長は「北ふ頭への整備」断念の理由について、「早期整備のため」と強調しました。
(下鶴市長)「そのときどきでベストな選択をして、検討を積み重ねてきた結果であり、県と市が一緒になって候補地を探していく。その意味で前進だったと考えている」
北ふ頭の白紙撤回は、あくまで前向きな対応だったとの認識を示し、県と協力しながら新たな候補地選定を進めていく考えを示しました。
下鶴市長の北ふ頭断念表明を受け、塩田知事は…。
(塩田知事)「時間軸を考慮すれば、難しいのではないかということをしっかり受け止めていただいた結果だと受け止めている。今後は鹿児島市と一緒に早期整備に向けて、場所も含めて検討していきたい」
一方、「スタジアムの新設」を条件にJリーグからクラブライセンスの交付を受けた鹿児島ユナイテッドFCは、「議論が終わったわけではなく、県と市が連携し新たな候補地を検討することと捉えています。さらに議論が加速することを願っています」とのコメントを出しました。
候補地が二転三転していることに、まちの声は?
(鹿児島市・20代)「反対ですかね。一度決めたことなのでやり通してほしい。J1目指す気持ちがあると思うので、みなさんの心も上り調子なのに落ちちゃうと思う。しっかりと方向を定めてほしい」
(鹿児島市・60代)「意見を出し合って今からみんなで考えていけばいい」
(鹿児島市・50代)「ちゃんとした基盤がないとなかなか難しい。(選手に)頑張ってやってもらうためには下支えが必要だと思う」
再び白紙に戻ったスタジアム候補地。議論を前に進めるためには“オール鹿児島で取り組む”と掲げている県と市の連携が欠かせません。







