馬毛島のシンボルが、消えることになりそうです。自衛隊基地の整備が進む鹿児島県西之表市・馬毛島で、島に残る戦時中の遺構などが今月10日にも解体されることが明らかになりました。
アメリカ軍の訓練移転と自衛隊基地の整備に向け、工事が進む馬毛島。起伏の少ないこの島で、島のシンボルにもなっているのが標高およそ70メートルの岳之腰です。ここには頑丈なコンクリート製の旧日本軍の陣地・トーチカが残っています。
戦後は、トビウオ漁の見張り台として使われ、1980年に無人島になるまで島の漁業を支えました。しかし、岳之腰とトーチカは、滑走路の造成予定地となっていて、県と市によりますと、トーチカを今月10日ごろから10日ほどかけて撤去した後、岳之腰の造成工事を始めると、防衛省から連絡があったということです。
島のシンボルが消えることに元島民は…。
(元島民 山下六男さん)「岳之腰があるから馬毛島なのに、あれがなくなると寂しい」
西之表市は岳之腰について、「市民の心理的影響を考慮し、残せないか防衛省に検討を求めた」としています。これに対し、防衛省は「種子島に航空機の飛行コースがかからないように滑走路を配置する必要があり、理解してほしい」と回答したということです。







