気温が上がる一方で、先週の寒波の影響も続いています。鹿児島県は寒波による農業被害額が、1日までに判明した分で21億1631億円に上ると発表。被害は今後、さらに増えると見られています。
寒波の影響はさらに意外なところでも。

国内最多、16匹のコアラを飼育している平川動物公園では、エサとなるユーカリを自給自足でまかなうために栽培しています。しかし・・

(平川動物園・飼育展示課 桜井普子課長)「新芽のところが黒くなっていて食べられない」

寒波の影響で、ユーカリの葉や枝が凍結し、強風で新芽が飛ばされるなどの被害が出ていて、エサの確保に苦労していると言います。

仮に災害があってもユーカリを安定的に確保するため、園では、鹿児島市内や指宿市、種子島など、40か所以上の畑でおよそ1万6000本を栽培しています。
しかし、今回の寒波では影響が広範囲に及び、およそ7割の畑で被害が出たために確保が困難になっていて、寒波の前に収穫していたものを比較的傷みの少ないものと混ぜて与えるなどしてしのいでいるといいます。

(平川動物園・飼育展示課 桜井普子課長)「種子島の方が(被害が)なかったと聞いている。当分の間はそっちが主体になってくるのでは」

ただ、コアラは歯がすり減るとユーカリの葉をかみ切れずに栄養をうまく摂取できなくなるおそれもあることから、やわらかい新芽をできるだけ早く食べさせてあげたいと話します。

(平川動物園・飼育展示課 桜井普子課長)「歯がすり減ると寿命が短くなることに繋がるので、なるべく新芽をたくさんあげて、歯のすり減りを減らすように工夫している。天候も気温が上がるような予報が続くので、どんどんあたたかくなってほしい」

寒波の影響を受けたユーカリの新たな芽が出てくるまでには1か月ほどかかり、影響はしばらく続くと見られています。