こちらは2011年3月11日の東日本大震災の時の東京や神奈川での様子です。高い建物や野球場の照明灯がゆっくりと大きく揺れているのが分かります。
このように、震源から遠く離れた場所でも高層ビルなどをゆっくりと揺らす周期の長い大きな揺れ=「長周期地震動」について、気象庁は2月1日からいち早く警戒を呼びかけるための情報提供を始めました。
東日本大震災では、震源地から700キロ以上離れた大阪市での震度は3でしたが、55階建て高層ビルが大きく揺れ、エレベーターのロープが損傷して乗っていた人が一時、閉じ込められるなどの被害が出ました。
こうした「長周期地震動」を気象庁は、1日正午から緊急地震速報の対象に加えました。
「長周期地震動」の揺れは4段階の「階級」で示され、階級3は、立っていることが困難な「非常に大きな揺れ」で、階級4は、はって動くことしかできないような「極めて大きな揺れ」となります。
階級3か4の揺れが予想される場合に、緊急地震速報で警戒が呼びかけられますが、気象庁は過去の例では国内で階級3か4が観測される頻度は年に1回か2回程度としています。
高い建物ほどリスクが大きいとされ、気象庁は長周期地震動に関する情報はおおむね14階から15階以上の高層ビルを対象としています。
県内で最も高いビルは鹿児島中央駅前にある鹿児島中央タワーで、地上24階建て・高さ101メートルです。2番目に高いのが県庁の地上18階建て高さ93メートルですが、高層のマンションも増えつつあります。
また、アミュプラザ鹿児島の屋上にある観覧車のアミュランも高さが最大で91メートルあり、大きく揺れる可能性があります。
緊急地震速報は2月1日から、震度5弱以上の地震で震度4以上の揺れが予想される地域に加え、長周期地震動で階級3か4が予測される場合に発表されるようになりましたが、気象庁は、いずれの場合でもとるべき行動は同じで、「慌てずに頭を守るなどの身を守る行動をとってほしい」と呼びかけています。