注目の人物にインタビューする「この人に聞く」。明治時代から157年続く、鹿児島県いちき串木野市・浜田酒造の6代目社長に就いた浜田光太郎さんです。
31歳の若きトップが描く、鹿児島の焼酎の未来は?
MBCラジオで焼酎づくりの魅力を熱く語る男性。今月1日、浜田酒造の6代目社長に就いた、浜田光太郎さん(31)です。

31年社長を務めてきた父・雄一郎さんは会長に就き、31歳の若さで会社のかじ取り役を任されました。
いちき串木野市で明治元年・1868年に創業した浜田酒造。「伝統・革新・継承」をテーマにした3つの酒蔵で、創業以来の製法を受け継ぎながら、本格焼酎を生産。従業員は270人、年間の売上高はおよそ150億円で、県内の焼酎メーカートップです。

(浜田酒造・浜田光太郎 社長)「小さい頃から家業というか、会社を意識する環境でここまできた。この日を考えて生きてきた。会長、社員と一緒に迎えることができたので自分の原点にしていきたい」
浜田さんは2017年に東京の成城大学を卒業し、浜田酒造に入社。焼酎づくりの現場から、マーケティング、経営まで経験を重ね、去年3月に副社長に就きました。
(浜田酒造・浜田光太郎 社長)「いい焼酎を造って、いい仕事をして、商品を届けていく。立ち返るのはいつもここ。若さしかないけど、考え方は変えずに皆とやっていければ」
しかし、焼酎業界は決して安泰ではありません。若い世代の「焼酎離れ」です。

そこに新しい風を吹き込んだのが、2018年に発売した「だいやめ~DAIYAME~」。すっきりとした味わいで、ライチのようなさわやかな香りが広がる新感覚の本格焼酎です。若い世代の好みにあわせた「香り系焼酎」のジャンルを切り拓きました。
(浜田酒造・浜田光太郎 社長)「やっぱりだいやめが今一番教えてくれるものが多い。創業150年のタイミングで、全員の思いがのった次の世代に向けての焼酎を造ろうとスタートした。ここに今皆の力を合わせている。エネルギーを注いでいるという感じ」
「だいやめ~DAIYAME~」は、世界最高峰とされる酒類の品評会の1つ、「IWSC」の焼酎部門で最高賞を受賞。地元・鹿児島で開いたイベントでも多くの若者が訪れました。
商品名の由来にもなった、晩酌して疲れを癒す鹿児島の「だいやめ文化」。浜田さんは、この独特の文化にロマンと可能性を感じるといいます。

(浜田酒造・浜田光太郎 社長)「25度の本格焼酎がベーシック。元々蒸留したあとは度数が高く、40度、50度、60度とか、わざわざ仕込み水で割って度数を落とす。その25度の焼酎を自分の好きな度数に変えて飲む。
世界どこを見てもこんなお酒はない。飲み方とセットでだいやめ文化。個人的にロマンがあると思う」
これまでに、のべ40か国に焼酎を輸出し、海外市場の開拓も進める浜田酒造。新社長が描く鹿児島の焼酎の未来とは?

(浜田酒造・浜田光太郎 社長)「自分の死から逆算して考えた時に、あと50年、60年、70年、分からないけど、特別な日本の本格焼酎という蒸留酒を、「國酒」に、そして世界に冠たる酒にしていく。
自分の代で実現できると思っている。その景色を皆で力を合わせて見に行きたい」
鹿児島の「だいやめ文化」を世界へ。若さとアイデアで挑みます。
※浜田酒造、浜田光太郎 社長の「浜」は、まゆはま