鹿児島市でイカだけを描き続ける画家の展示販売会が始まりました。イカを愛し、イカをイカした作品たちです。

鹿児島市のギャラリー白樺で始まった展示販売会。描かれているのは、イカ、イカ、イカ…。様々な種類のイカの絵画、42点が展示されています。

描いたのは、大崎町出身の画家・宮内裕賀さん。18歳のころにイカに魅了されて以来、20年間描き続けています。

(宮内さん)「近所のおじさんが釣り好きで、釣りたてのアオリイカを見て、これまでイカを食べ物としか見ていなかったが、その美しさに衝撃を受けて描いたのがきっかけ」

こちらの「イカサマー」は、県内で多く釣れるアオリイカが、夏の太陽きらめく横瀬海岸を背景に描かれています。

こちらは、死んだアオリイカを描いた作品。いのちの美しさを神秘的なイカの瞳で表現しています。

(宮内さん)「死後のイカの目からも超能力を感じる。その美しさを表現して伝えたいと描いた」

イカへのこだわりは、画材にも。

(記者)「こちらの優しいセピア色で描かれたイカ。茶色い部分はイカ墨で、白い部分はイカの骨を粉末にした画材で描かれています。まさに、イカでイカを描いています」

イカの墨をはじめ、本来は捨てられてしまうイカの骨やイカの目の水晶体を各地から取り寄せ、画材として加工し使っています。

(宮内さん)「イカ生、イカの生涯の受け取って、そのイカのことを思って描くので、イカを画材にすることで大切に描けている」

イカを愛し、イカをイカした作品を描き続ける宮内さん。食べるだけではないイカの魅力を伝えたいと話します。

(宮内さん)「(イカは)消費される資源として生まれてきたわけではなく、生き物として海で生きているので、そのことにも思いをはせてもらえるきっかけになれたら」

展示販売会は、鹿児島市のギャラリー白樺で今月21日まで開かれています。