最新鋭の機械を導入したスマート農業でタマネギの生産拡大を図ろうと、大型ドローンによる薬剤散布の実演がきょう花巻市で行われました。

(記者リポ)
「薬剤も加えると、総重量58キロの防除用のドローン。近づくとかなりの迫力です」
誤差わずか2、3センチという精度で、薬剤を散布しながら広いタマネギ畑を往復するドローン。自動運転で1ヘクタールの散布にかかる時間はおよそ10分です。

ドローンによる薬剤散布の実演が行われたのは、岩手県内で最も広いおよそ9ヘクタールの畑でタマネギを栽培する花巻市太田の農事組合法人リアルの農地です。

社員と役員9人による広大な面積での営農を可能としているのが、最新鋭の機械によるスマート農業です。
県は水田を活用して春に定植、8月から9月に収穫する「春まきタマネギ」の生産拡大を推し進めていて、生産者や農業改良普及員などおよそ60人を対象としたドローンの実演と研修会を開きました。

(岩手県農産園芸課 沼田芳宏課長)
「タマネギの主産地というと北海道や西日本が中心になると思うんですが、その主産地の収穫のはざまに収穫ができるメリットがありますので、産地化につながる優位性があると考えております」

県内のタマネギ生産者で出荷組合をつくり、大手外食チェーンや食品メーカーに直接タマネギを出荷する「農事組合法人リアル」にとっても、スマート農業の普及による生産拡大は、今後の販路拡大につながる可能性があります。

(農事組合法人リアル 新渕伸彦代表理事)
「生産者が増えて、岩手県がタマネギの産地だよということが、いろいろな方面に伝わっていけばいいなと思っています。まだまだ伸ばしたいですね」

岩手でタマネギの産地化への動きが本格化しています。