盛岡の古くからの中心的な商業地、肴町の歴史やゆかりの人物を取り上げた企画展が、盛岡市で行われています。
盛岡市先人記念館は2006年から、盛岡の古い地名に焦点を当て、その歴史やゆかりのある先人たちを紹介する展示会を開いています。

今回は盛岡の古くからの中心的な商業地、肴町がテーマ。
肴町を取り上げるのは今回で2回目です。
会場には肴町の商店に保存されていた商売道具や、当時の写真など、肴町の歴史が分かる資料74点が並んでいます。

中でも目を引くのは、現在も肴町で営業している永卯、平金、村源、スズエ印房、イズミヤなどの老舗の成り立ちや歴史について紹介したコーナーです。

江戸時代の弘化年間に創業し、呉服や太物を扱っていた永卯(現在は陶器などを扱っている)に保管されていた着物の裏地用布の看板には、歌舞伎の演目「助六由縁江戸桜」に登場する花魁「揚巻」が描かれ、華やかな雰囲気を醸し出しています。
このことから、当時の女性が着物の裏地の素材にもこだわり、おしゃれを楽しんでいたことをしのばせます。

また、明治19年から肴町に店を構える印章店のスズエ印房の先祖は淡路島に住み、西日本を中心に各地で人形浄瑠璃を披露している一座でした。江戸時代に、この地域を収めていた南部氏の前で人形浄瑠璃を披露して、以後盛岡に定着したということが分かる資料(淡路人形など)が展示されています。

盛岡市先人記念館の主任学芸員、中村晶子さんは「今回は肴町の老舗や、特徴的な場所を多く紹介しているので、今の街並みとの比較を楽しんで欲しいです」と話していました。
この「肴町かいわい展」は3月2日(日)まで行われています。