7月14日と15日は、81年前に北海道内各地でアメリカ軍による空襲や艦砲射撃が行われた日です。室蘭を攻撃したアメリカ軍の貴重な音源がHBCの取材で見つかりました。

CBSラジオ音声「私はいま、太平洋艦隊の戦艦の第二艦橋からお伝えしています。これから北海道南西部にある室蘭の港への砲撃が行われます」

81年前の1945年7月15日。室蘭への艦砲射撃を、アメリカの軍艦から実況した音声です。アメリカの国立公文書館が保管していた音源で、日本で公開されるのは初めてとみられます。

声の主は、CBSラジオの従軍記者、ジーン・ライダー氏。室蘭沖に展開した軍艦から艦砲射撃が始まる直前の様子を伝えていました。

ライダー記者「午前9時を少し回った肌寒い朝です。見慣れない海岸が前方に迫っています」

三國谷浩司記者「アメリカ軍の資料によると、室蘭への艦砲射撃は、こちらの方角およそ27キロから、28キロほどの海域から行われました。いまは静かな海ですが、81年前、ここは戦場でした」

室蘭 地球岬

ライダー記者が見つめていたのは、室蘭の地球岬付近とみられます。
アメリカ軍の艦隊は地球岬を目印に室蘭沖へ接近。岬の南東、およそ27キロの海上に展開しました。

こちらは、当時アメリカ軍が撮影した未編集のフィルム映像。

室蘭への作戦に参加した艦船や、甲板で待機する兵士の姿が記録されています。

7月14日、アメリカ軍は室蘭や釧路といった北海道の主要都市を空襲。翌15日には、製鉄所などを狙った艦砲射撃を行いました。

ライダー記者「標的の日本製鋼所と輪西製鉄所は、目の前の丘の向こうです」「全員が戦闘配置につきました。まもなく砲撃が始まろうとしています」

午前9時36分、砲撃が始まりました。

砲撃音​                                   ライダー記者「いま、アメリカの鉄鋼弾が日本の軍需工場へ飛んでいきました。遠くで煙が立ち上り今朝の霧と混ざり合っています」

およそ1時間にわたって撃ち込まれた砲弾は、860発。

砲弾は製鉄所だけでなく周辺の市街地や従業員の社宅にも着弾し、室蘭市の記録では、約430人が犠牲となりました。

防衛研究所 戦史研究センター 花田智之室長 「当時の室蘭は、重工業都市として発展していて、まさに軍都と位置づけられていました。これは単に戦況の記録という映像だけではなくて、まさに作戦のその遂行度合を理解するうえでも重要な役割を果たした資料と言えると思います」

軍艦からアメリカ本土へと送られた従軍記者の肉声。
81年前、室蘭の海が戦場だったことを伝える新たな記録です。