元船長はさらに、「港に戻ってくるチャンスは2度、3度あったはず」と、事故当時の船長の判断に疑問を持ち続けています。

KAZUⅠ(2018年5月 関係者提供)

 あの日、「KAZUⅠ」は、天候が荒れたら引き返すという「条件付き運航」で斜里町のウトロ漁港を出航しました。

午後から天候が荒れるという予報が出ていたのにもかかわらず、片道約3時間半かかる知床半島の先端部の知床岬を目指して運航していました。

知床半島の先端部周辺

 「KAZUⅠ」元船長
「当日の出航する時間の映像を見た感じだと、僕が船長だったとしても出航していたと思う。だから出航したことに関して僕は反対も肯定もしない。ただ、出航するのであれば、最初から岬までのコースは捨てて、遅くても正午までには帰ってこられるような運航しないとだめだ」