これまで3回の公判で、母親の浩子被告は「頭部の損壊を知ったのは、家に持ち込まれた後。あまりに異常なことで、娘を咎めることもできず、認めることもできず、何も言えませんでした」と、死体遺棄ほう助の起訴内容を否認。

さらに、ビデオ撮影についても「何を撮影するのか知らされておらず、とても耐えられなくて、助けを求める気持ちで、夫に撮影を依頼しただけで、犯罪を手伝う意思は全くなかった」と、涙ながらに死体損壊ほう助の起訴内容も否認しました。

弁護人も「頭部を瑠奈被告が自宅浴室に置き続けたことを認識していたが、容認するような発言を一切せず、ビデオ撮影しながら頭部を損壊する計画についても、抽象的に撮影を修被告に依頼しただけ」などとして、無罪を主張しました。

このあと、検察と弁護人、どちらも裁判員裁判となる瑠奈被告と修被告の公判も見すえて、いびつな親娘関係、瑠奈容疑者が男性を殺害した動機などについて指摘。

そこで、瑠奈被告が女装していた被害男性に避妊具なしで性交されるなどし、トラブルになったことが事件の発端であることは一致。

その上で、検察は「その怒りなどから、殺害だけでなく、もともと人体に興味があった瑠奈被告が遺体を解体して弄ぶことを企て、修被告も容認して協力」と指摘したのに対し、弁護人は、修被告の無罪主張も視野に「両親には瑠奈被告と被害男性がSMプレイをするという認識しかなく、殺害は、瑠奈被告が自宅に頭部を持ち帰って初めて知った」などと主張していました。

また、2回目の公判に証人として出廷した父親の修被告は「言葉では言い尽くせませんが、取り返しのつかないことをした。大変、申し訳ない」と遺族に謝罪。

事件前後の状況については「ススキノから家に戻り、娘から『首、拾った』と告げられ、初めて犯行を知った。現場まで自家用車で行ってたから、すぐに娘が逮捕されるだろうと思った。警察に突き出すのは、娘が抱えていた何かを抱えきれず、裏切る行為になると思ってできなかった。ゾンビ妄想が出る前は、言うべきことは言い、やるべきことはやってきたつもり。本人を追い詰めないようにすることが望ましいと思っていた」などと証言していました。