12日、名古屋市中心部の公園で、高さ約15メートルの木が倒れました。強風が原因とみられていますが、樹木医が調べたところ他にも要因があるとみられることがわかりました。
(池田有希記者)
「名古屋市中区です。木が大きく倒れて、電線によりかかっているのが確認できます。一部の電線が切れて垂れ下がっているのもわかります」

12日、名古屋市中区の千早公園では午後3時15分ごろ高さ約15メートル、幹回り約1.8メートルの木が倒れ、フェンスや街路樹をなぎ倒しました。

倒れた先には千早小学校がありましたが、けが人はいませんでした。
小学校では12日午後2時50分ごろから停電し、授業は中断。
児童は午後4時ごろに教員が付き添って集団下校となりました。

倒木の影響で、付近の住宅約1300戸も一時、停電しました。

(近隣住民)
「急に停電して、びっくりした。(近くの小学校に)孫が通っているから危なかったなと」

「怖かった。真っ暗になった」
では、公園の木はなぜ倒れてしまったのか。
一夜明け、樹木医の板倉さんと調べました。

木は中国原産の「シンジュ」で本来、根が横に横にのびていく性質があるということです。
しかし、倒れた「シンジュ」の東側にはアスファルトの道路。
西側には公園内の歩道が挟む形となっていました。このため根が横にのびていくスペースがないまま成長していたことがわかりました。

(樹木医・板倉賢一さん)
「支えている根っこがこれだけ大きい木に比べると、今出ている根っこで『これではもたないよな』という感じはある。石やコンクリートがあるので、根っこがうまく張れなかった」

これは、俯瞰で見た位置関係です。倒れた木の南側には集合住宅があります。
木が成長するには東側からの日光が頼りでした。
このため東にある学校の方に向かって、木は斜めに傾きながら成長していたのです。

2015年から2019年に撮影されたこの写真が何よりも証拠です。
そこへ、12日名古屋市では雨や雷も伴って午後3時頃に最大瞬間風速35.4mを記録。
この強い風を受けて、「シンジュ」の木は学校のある東側に倒れたのです。
(樹木医・板倉賢一さん)
「葉っぱが明るい方へ明るい方へ伸びて、10年くらい前から少し木が傾いている。当時はゲリラ豪雨。風が回るからどちらの方向から吹くかわからない。普段受けないような風方向からきたので、今までもっていたものがもたなかった」