岐阜県中津川市に建設中の新しい小学校の工事が遅れ、4月の開校に間に合わなくなったことが分かりました。一体なぜなのか…。業者を直撃すると、ここにもコロナとウクライナ侵攻の影が…。

中津川市に建設中の福岡小学校の新校舎。児童の減少などに伴い、市内の3校が統合され、ことし4月に開校する予定ですが…。

(中津川市 教育委員会事務局 施設計画推進室 伊藤英樹室長)
「業者から『建設が間に合わない』と通知があった」

約30億円を投じた建設工事が遅れ、4月の開校に間に合わないというのです。

(中津川市民)
「仕方ない。時期的に悪かった」
「(通う児童が)ちょっと、かわいそうだと思います」

一体なぜ起きてしまったのか。工事を担当する共同企業体の一つを直撃すると…。

(中島工務店 中島健代表)
「コロナが工期の間にピークが3回来て。うまく人材がそろわなかった。ロシアのウクライナ侵攻の影響かと思うが、資材がなかなか入らない」

工事は2021年9月に着工しましたが、コロナ感染者や濃厚接触者の続出による人手不足に加え、ウクライナ侵攻による資材不足が影響し、2022年秋から遅れが顕著になったとのこと。

当初の工期は2月末まででした。しかし「開校に間に合わない」と市に伝えたのは1月30日が初めて。もう少し早く判断はできなかったのでしょうか?

(中島工務店 中島健代表)
「なんとか間に合わせたいという一心で工程を見直して、最後まであきらめないと思っていたが、裏目に出てしまったことを反省している」

業者は土日や祝日、時には夜間にも工事を進め、ギリギリまで頑張ってきたといいますが。

(中島工務店 中島健代表)
「子どもたちや父兄には迷惑と心配をかけて申し訳ない」

新校舎の完成時期は未定で、遅延に伴う費用については今後、市と業者で協議するといいます。

(中津川市 教育委員会事務局 施設計画推進室 伊藤英樹室長)
「子どもたちの心のケアといいますか、今後の対応を含めて、しっかりやらせてもらいたい」

市は現在の福岡小学校を当面の間、仮校舎として使い予定通り開校するということですが、児童の通学や学校生活に影響が出ないよう、スクールカウンセラーの配置を増やすなどの対応をとり、今後の児童のケアを徹底するとしています。