上質な海苔の生産地として知られる三重県で7日、恒例の「新のり」の初市が行われました。そんな中、三重県の海では、ある異変が起きているといいます。

7日、三重県松阪市で始まった「新のり」の初市。この時期に初摘みされた「黒のり」を加工業者や仲買人が色つや・香りや焼き色・歯切れの良さを入念に見極めます。今、この「初市」に、ある異変が起きているといいます。

(伊勢湾漁業協同組合 黒田秀夫参事)
「昨年は経験したことがないくらいの不漁。ことしがダメなら廃業を余儀なくされる生産者が何人もいる」

三重県漁業協同組合によりますと、去年初めに雨が少なく海の栄養が不足したことや、伊勢湾に流れ込んだ黒潮により海水温が上昇したことが生育に影響を及ぼし、去年は生産量が過去最低となりました。

「初市」には例年、約200万枚余りの「新のり」が出品されますが、去年は約22万枚、ことしは少し回復して55万枚ですが、3年前の3割ほど。
さらに変色により製品にしても売れないという事態が相次ぎ、養殖業者を悩ませています。

(のり流通センター 喜畑圭司所長)
「ことしは、しっかりとした芽が付いて順調に伸びている。心配なのは年明けの(雨不足による)栄養塩不足。(ことしは)豊漁で終わりたい」
ことしは去年に比べ状況が改善しているということですが、気の抜けないシーズンが続きそうです。