“クマがもう襲ってくる” そんな状況になったら…?
(若狭キャスター)
「東海地方では岐阜県での目撃情報はよくあるんですが、愛知県・三重県ではどの辺りに生息してるんでしょうか?」
(岐阜大学 淺野准教授)
「愛知県だと三河の山間部など、三重県だと中部から南部の山間部などが生息地になっています」

(若狭キャスター)
「そうなんですね。クマにとってこの時期というのは、どんな季節なんでしょうか?」
(岐阜大学 淺野准教授)
「ちょうど3月から4月に冬眠から目覚めてきて、実はクマは冬眠中はえさを一切食べないので、冬眠明けだとお腹が空いている状態なんですね。春先になると木の枝や山菜などを食べるようになるので、行動がどんどん広がっている時期にあたります」
(若狭キャスター)
「人と出会う時間帯というのはあるんですか?」
(岐阜大学 淺野准教授)
「クマの行動と人の行動が重なる時間がどうしても被害が多い時間帯になっていて、大体午前7時前後の朝方と夕方の午後5時前後、この時間帯がちょうどクマの活動と人の活動が重なって、人への被害や目撃情報が増えます」
(若狭キャスター)
「この先6月7月が更に目撃情報が増えるということなんですが、季節の移り変わりで目撃情報というのは変わってきますか?」
(岐阜大学淺野准教授)
「一番ピークになる6、7月からだんだん夏にかけて減っていって、また秋頃になると、人が山に入ることも増えるので、目撃や被害というのも増えます」
(若狭キャスター)
「北海道の根室市で4月、ヒグマが軽トラックに激突してきて、ワイパーが壊れ、さらにはフロントガラスにもひびが入るということがありました。子連れのヒグマだったという情報なんですが、子どもを連れたクマというのは注意が必要なんでしょうか?」
(岐阜大学 淺野准教授)
「子グマのそばには母親がいます。母親は子グマを守るために人や車など近づいてくるものに対して、攻撃を仕掛けてくることが多いので、子グマを見かけたらお母さんがそばにいて、一番危険な状態だというふうに認識されるといいと思います」
(若狭キャスター)
「子グマを見つけると必ずその近くには母親がいるという認識、これが大事なんですね。クマと出会わないようにするためには、どうすればいいんでしょうか?」
(岐阜大学 淺野准教授)
「クマは人に対して、非常に警戒心を持っていることが多いので、クマに人の存在を知らせるということが大事になります。具体的には鈴や笛、ラジオなど大きな音で人の存在を知らせることで、それを聞いたクマが『人が近づいてきた。この場から去ろう』と、去ってくれることが多いはずです」

(若狭キャスター)
「ラジオや人の声など、聞こえるようなものを出し続けることが大事なんですね」
(岐阜大学 淺野准教授)
「そうですね、聴覚やにおいで周囲の状況を把握する動物なので、音が非常に有効になります」
(若狭キャスター)
「とはいえ、これからの季節、人が山に入るということも多くなります。出会ってしまった場合は、どのように対処すればいいのでしょうか?」
(岐阜大学 淺野准教授)
「ある程度距離がある状況で出会った場合には、クマを刺激しないようにクマの方を見ながら、ゆっくりとその場から立ち去ることで、被害を防ぐことができる場合が多いです。万が一、不幸にもクマがもう襲ってくる、攻撃を仕掛けてくるという場合に我々ができることは、できるだけけがの程度を小さくするということが大事になります。首、顔、頭など急所になるところをリュックサックで防いだり頭からかぶったりして、急所を避けることが大事かなと思います」

(若狭キャスター)
「これからの季節、クマと人が出会ってしまう危険性もあります。音を発するものを身に着けて山に入るなど、きっちりとした対策をお願いしたいと思います」










