島根県は7月2日、出雲市の児童福祉施設で腸管出血性大腸菌O157感染症患者が集団発生していて、現在あわせて30人にのぼっていると発表しました。県は、今後も感染者が増える見込みとしています。
今回の集団感染については、6月25日に感染が分かった出雲市の女性(40代)の接触者のうち、感染確認された幼児と同じ児童福祉施設に通う別の幼児3人の感染が30日に発表されていて、その関連の調査で新たな感染者26人が確認されたものです。
島根県感染症対策室は、7月2日午後3時から県庁で緊急で会見を開きました。それによりますと、出雲市の児童福祉施設で6月30日までに4人がO157に感染していましたが、同じ施設の幼児と職員について検査をしたところ、新たに26人の感染が分かったということです。現在、この施設であわせて30人の感染が分かっています。そのうち29人が幼児です。施設の関係者ではまだ50人ほどの検査結果が出ていないということで、今後さらに感染者が増えるものとみられます。
新たに感染が分かった26人の内訳は、幼児25人(男児12人・女児13人)、職員(20代女性)1人です。症状は、下痢24人、腹痛17人、発熱17人、血便15人です。入院中の人は4人、症状継続が8人、回復傾向16人、すでに回復1人、無症状1人となっています。現在、重症者はいませんが、重症化するおそれもあるとして、県では感染者らの健康観察を行っています。
島根県感染症対策室の田原研司室長によると、感染者についてはその家族にも検査を行うことになるため、最終的には100人を超えて150人規模の検査になることもあるとしています。
施設は7月1日から当面の間、休業するということです。
島根県内で2023年に入ってから確認された、O157感染者はこれで36人となりました。また、県内で発生したO157の集団感染は、2015年に益田市内の高校の寮で79人が感染して以来のことです。
感染症に詳しい医師によりますと、O157は加熱が不十分な食肉などが原因となることが多く、感染すると激しい腹痛、著しい血便となることがあります。そして、小児や高齢者では重症化することが稀にあり、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症を合併する可能性があるため、注意が必要といいます。
溶血性尿毒症症候群は、全身に小さな血栓ができて、脳、心臓、腎臓などへの血液の流れを妨げる病気で、特に子どもや高齢者は重症化しやすく、最悪死に至る危険性もあるといいます。
島根県感染症対策室の田原研司室長によると、溶血性尿毒症症候群はO157感染症の症状が出てから約2週間後に発症するため、現状で症状が軽い場合でも安心はできず、O157を発症した人の約10%が発症し、小児に多いとして、警戒しています。
梅雨に入り高温多湿の日が多くなっていることもあり、食中毒への注意はさらに必要となっています。腹痛や吐き気などが数日続くこともある食中毒は、重症化すると命に関わることもあります。
食中毒に詳しい専門家は、食中毒予防の3原則として、菌をつけないこと、増やさないこと、殺菌することの3つを挙げています。高温多湿の今の季節はとくに、菌を「つけない・増やさない・殺菌する」の3つが大切だとしています。
島根県では、手洗いの励行など感染防止対策の徹底を呼び掛けています。















