島根大学は17日、公的研究費を不正使用し、不適切に研究室等で回収する還流行為をしたとして、島根大学医学部附属病院に勤務する医療技術職員を停職3日の懲戒処分にすると発表しました。

停職の処分を受けたのは、島根大学医学部附属病院医療機器管理センター所属の臨床工学技師長(40代)です。技師長は、所属していた医学部附属病院MEセンター(当時)で副センター長を務めていました。

大学によると、去年11月に学内からの内部通報で発覚し、今年1月に外部の弁護士を含む調査委員会を設置して調べていました。

調査によると、技師長はセンターに配分される予算では所属する17人中数人しか講習会やセミナーなどに参加できないと考え、なるべく多くの職員が参加できるようにしたいと学会等に参加した複数の職員に対し、大学から支給された旅費や学会参加費、講習料などの返金を求めました。

そして受け取った現金を、研修会等に自費で参加した職員に補填として配分したほか、慶弔費やコーヒー代等のセンターの会費に使ったということです。
これは大学経費の目的外使用と還流行為に当たるとしています。

不正支出は2019年度が4万円、2020年度が4万9130円、2021年度が6万7000円、2022年度が5万8000円、2023年度は8万365円で、5年間合計29万4495円でした。
そのうち6万円をセンター職員に配分し、残り23万4495円はセンターの会費に繰り入れていたということです。私物の購入などはなかったとしています。

技師長は2023年度にルールの範囲内か大学事務部に確認し「その方法は適切でない」と回答を受け、以降はこの運用方法を中止しました。

島根大学は、この職員の行為は、職員就業規則に違反するとし、17日付で停職3日の懲戒処分としました。

島根大学の大谷浩学長は、「職員が行った行為は決して許されるものではなく、関係者の皆様に改めて深くお詫び申し上げます。職員の行為は、社会に本学及び本学職員への不信感を与え、本学に対する社会的信用を著しく傷つけるものであり、大学として、このことを深刻に受けとめ、本学において今後このような不祥事を起こすことのないよう、全学を挙げて再発防止に取り組むとともに、本学に対する信頼の回復に努めてまいります」とコメントしています。