背番号へのこだわりを捨てた「プロ16年目のリアリズム」
4月1日。クラブハウスで目の前に座る小野裕二は、指を折って自身のキャリアを数え、「16年目か」と小さく笑った。アルビレックス新潟で彼が背負うのは「99」。かつて名門の10番を背負った男にとって、その選択の理由は驚くほど淡々としていた。

「深い意味はなくて。自分がつけたことのある番号っていうのが、空いてなかったんですよね。ちょうどそのシーズンから番号(の制限)がなくなって99までいけるようになったんで、じゃあもう99でいっか、みたいな…」
寺川能人強化部長から提示された空いている番号の中に、かつての番号はなかった。
「そこまでのこだわりはないです」。
その言葉は、番号という形式ではなく、ピッチで何を表現するかという本質にのみ集中しているプロ16年目のリアリズムを感じさせた。

だが、この潔さに至るまでには、かつてベルギーで直面した厳しい現実があった。










