30日に兵庫で開幕を迎える第32回高校女子サッカー選手権。過去には宮澤ひなた(24、星槎国際湘南高校)や鮫島彩(36、常盤木学園高校)といったなでしこジャパンのメンバーも出場。これからの日本女子サッカー界を担う「なでしこの蕾」たちが日本一をかけ鎬を削る。
青春をサッカーに捧げた女子高校生はそれぞれの想いを胸にピッチに立っている。選手権優勝1回(25回大会)の東京・十文字高校。前回大会は6大会ぶりに決勝進出を果たすも、女王・藤枝順心に0-1で敗れ準優勝となった。
リベンジに燃える十文字の注目選手はMF・早間美空さん(3年)。世代別の日本代表に選ばれたこともあり、卒業後は美空さんの地元、広島の「サンフレッチェ広島レジーナ」に入団が内定している。
高校進学と同時に故郷・広島を離れ東京で暮らす美空さんを支えたものがある。「おばあちゃんからお守りと手紙を貰って、サッカーのかばんの中に入れています」。大事な試合前や怪我をした際に、祖母の美鈴さん(82)が送ってくれるという手紙とお守り。それが美空さんの原動力だ。「ずっとそばにいてくれて、自分の味方でいてくれていると感じる」。
祖母の美鈴さんは広島県福山市から孫の活躍を見守っている。美鈴さんが美空さんに送る手紙とお守りには「一人で生活していて寂しい思いをしていたり病気になったりしたときはきっと不安だろうと思って。お祈りをしてお守りを送ることで元気を貰えるかなと思った」と、孫を想う気持ちが込められている。
祖母の手紙の中で、美空さんの一番のお気に入りは「ばあちゃんは美空ちゃんが大好き。広島に帰ったら仲良くしようね。困ったことがあればいつでも相談してください」という言葉。「おばあちゃんはずっと美空のそばにいてくれているんだなっていうのが凄く伝わってくるので、グッときます」と微笑む。
高校最後の選手権は、手紙で支えてくれた祖母の為に「MFとして点を取るのが仕事なので、いっぱい点を取るところを見てほしい」と意気込む。名門の背番号10を背負う美空さんのリベンジが始まる。














