テレビCMでおなじみの自動車オンライン買取サービス「カーネクスト」で知られるラグザス。同社は創業時より海外進出を見据えて、顧客を最優先したインターネットのプラットフォーム事業を数多く手がけている。代表的なカーネクストのほかにも、プログラミングのオンライン学習サービス「忍者CODE」やM&Aプラットフォーム「M&A-WEB」など多岐にわたる。
これらの事業が一つとなり、ホールディングス化を遂げたのは2022年のこと。事業会社を傘下に入れる持株会社となり、新規事業の創出やM&A、投資などに集中する体制へと生まれ変わった。また、2023年にはIT人材の転職支援プラットフォーム「HUGAN」や海外留学サービス「ゴールドコースト留学.com」などもグループに加わった。
企業ステージが上がったいま、代表取締役の福重生次郎社長は2つの軸でさらなる成長と発展を目指していきたいと意気込む。
「知名度の向上に大きな効果」注目度の高いイベントへの協賛
福重社長が挙げる2つの軸。それがサービスプロモーションとコーポレートブランディングだ。
「いままでは事業ごとに施策を打っていましたが、ホールディングス化をしたことで、サービスプロモーションとコーポレートブランディングの役割が明確になりました。前者については引き続きテレビCMを中心に周知を図りながら収益拡大につなげ、後者に関しては注目度の高いリアルイベントへの協賛に注力していくことで会社としての認知度を向上させていきたいと考えています」

コーポレートブランディングの代表的な一例が、「2023 World Baseball Classic™東京プール」への特別協賛であり、野球日本代表「侍ジャパン」オフィシャルパートナーへの就任だ。カーネクストがスポンサードし、大会の盛り上げに一役買った。
一方で、地域のイベントにもサポートを惜しまない。その一例が、2021年から続けている「ウメダ☆アイスリンク つるんつるん」である。
2014年11月に誕生した同イベントは、JR大阪駅に隣接する複合商業施設・グランフロント大阪内のうめきた広場に期間限定で登場するアイスリンクで、屋外仮設スケートリンクとして西日本最大級の規模を誇る。毎年2万人から4万人が足を運び、まさに都会のど真ん中でスケートを楽しむ風景は、関西人にとっては馴染みのある、冬の風物詩になりつつある。
協賛にあたり、まず着目したのは立地だ。
「グランフロント大阪は毎月200万人から300万人もの来場者数を記録しています。しかも、その属性はビジネス層からファミリー層まで幅広い。11月下旬から翌年2月の約3カ月にわたって当社の名前を繰り返し目にしていただけるので、知名度の向上に大きな効果があると考えています」
「まだまだ認知を獲得できている状況ではない」と客観視する福重社長は「この立地で開催されるイベントへ協賛する意義を強く感じている」と明かしてくれた。
“大切にしたい想いを空間に” ブランディングだけでなく、人材採用やM&Aにも
「五感で体感できるからこそ、言葉では表現しにくい企業イメージが伝わりやすいのがリアルイベントならではの魅力」とも福重社長は指摘する。
そのため、コーポレートブランディングの一端を担うアイスリンクの雰囲気作りには一切の妥協がない。それを象徴するのが、イルミネーション。本年度はリンク外壁面やユニットハウスをLEDで装飾し、営業後にはリンク表面へのプロジェクションマッピングを実施している。

「信頼感や安心感、ワクワク感といった当社が大切にしたい想いを汲み取っていただける空間に仕上げました。来場される方はもちろん、イベントを目にした方にも感じとっていただきたいですね。また、長期的な視野で見たときに、リアルイベントを通じたイメージの醸成が人材採用やM&Aによい影響を与えてくれることを期待しています」
本年度は「滑って楽しい! 見て楽しい!」をテーマにしており、活気あふれるアイスリンクとして好評を博している。
「関わり合う人が幸せになる」を追求する理念と、今後の展望
また、このイベントに協賛してから一貫して、児童養護施設で生活する、またはこども食堂や支援学校に通う子どもたちを無料で招待している。これは数年前、コーポレートグッズに障害者アートを採用したことが縁で実現した取り組みだ。
「本年度も招待は継続します。加えて、著名なスケーターによるスケート教室も予定しています。いろいろな人に楽しんでもらい、そのうえで当社のことも知っていただきたい。さらには信頼感などの大切にしたい想いも感じとっていただきたいですね」
参加する人たちが喜べば喜ぶほど、協賛するリアルイベントが盛り上がり、さらなる認知を得る。実は、ここに同社ならではの理念が垣間見える。ホールディングス化を遂げ、急成長を果たしているが、2008年の創業以来、大切にしているものは何も変わらない。「今ここにない未来を創り出す」をミッションに掲げ、「新たな価値の創造」と「関わり合う人が幸せになること」を追求する姿勢を貫いている。
「今後は世界的な企業になるべく、時代に応じた新しいインターネットのプラットフォーム事業を開発し、海外市場でも勝負がしたい」と展望を語る福重社長。
そのため、企業イメージを伝えるだけでなく、会社の成長や発展にまで貢献すると見込むコーポレートブランディングがますます重要になるのは間違いないだろう。
関わる人の幸せが広がるほど世界に向けて前進する。
これからもラグザスの動向から目が離せない。
ラグザス株式会社 https://raxus.inc/