優勝賞金1000万円を目指した国内最高峰の賞金大会SBCドリームテニスツアー・ファイナルラウンドが17日に閉幕した。優勝は男子が全日本チャンピオンの徳田廉大(25、イカイ)、女子は伊藤あおい(19、SBCメディカルグループ)が大会初優勝を果たした。

大会には世界で戦う西岡良仁(28、ミキハウス)や、全仏オープン混合ダブルスで優勝した加藤未唯(29、ザイマックス)など豪華な顔ぶれが揃った。なかでも注目されたのが日本ランク38位の小倉孝介(27、フリー)だ。小倉は登録者数1万7000人のテニス界では有名なユーチューバーでプロテニスプレーヤー。

テニスはランキングが対象となる大会がグランドスラムから、フューチャーズまで6段階に分かれている。小倉が主戦場としているのはツアー下部のフューチャーズ大会。学生時代は早稲田大学のテニス部主将を務めた。現在ATPランキングは925位(19日現在)。

今年で2年目を迎えたSBCドリームテニスはテニス界を盛り上げたいという多くの選手や関係者の思いから生まれた大会。しかし、先日行われたファイナルラウンドは世界で戦うトップ選手の出場もあり、誰でも出場できるわけではない。小倉も繰り上がりで出場がかなった。出場がきまった小倉は「優勝が1000万円でベスト4でも大きな金額がもらえるので」と話した。目標のグランドスラム出場へランキングをあげるため、少しでもポイントの高い大会に出場するため海外遠征をするための資金が必要になる。

予選リーグでATPランキング47位の西岡と対戦することになった小倉は4ゲームを連取され、あっさり先制された。第2セットは西岡の左肩の負傷で2ゲームを奪うことが出来たが完敗。「レベル高い中で、どれだけのプレーができるかを見せる場として出場したが、ちょっと場の空気に飲まれたというか、自分で(YouTubeを通して)“見てください”って言って、声をかけて、本来のプレーっていうところは出せずに終わってしまった」と試合をふり返った。試合前にも「どうやったらポイントを取れるんだろう」と色々、考えたと言う。前日には「テニスプレーヤーとしての名声を取り戻したい」とも話していたが、1勝もできずに予選敗退となった。そんな小倉を直撃した。

Q:なぜyoutubuを始めたのか
小倉選手:
テニス界が盛り上がってない、そういった原因ってなにがあるんだろうって。他のスポーツだとバラエティ番組だとか地上波のテレビに出て、選手のキャラクターを知ってもらえてるってのがすごい大きいと思って、そういった映像を見て実際に試合を見に行ってファンになる。っていうかたちがテニス界だと少ないなと。
もう一つは金銭的な問題。
金銭面で困っているのもあって、自分からどんどん発信して、自分を知ってもらうっていうところ、他の選手と違うことをしていかないと注目してもらえないっていうのと、プロセスを見てもらえたほうが、皆さんに楽しんでもらえるし、っていう意味でメリットしかないなあと思って。
ただ、自分で自分をマネージメントして、プロモーションして知ってもらうってことが格好悪いことだと思っていて昔は。成績を出して一躍有名になるのが格好いいと思っていたんですけど、やれることをやってないほうが格好悪いんじゃないかと思って。っていう考えもあって、はじめました。

Q:今後の目標
小倉選手:
グランドスラム出場っていうのが、僕の中で一番の目標。そこに向かって今やってるんで、今年はフューチャーズってところであと2週まだあるので、そこでしっかり出場して終わりっていう形です。(来年は)しっかりフューチャーズでタイトルをとることが、ひとつ大きな目標。
今回、格上の選手たちと試合をして、本当に大事なところで発揮できる自信というものがまだないのかなっていうとこがあって、試合経験とか、優勝経験が必要だと思うので、まずはしっかりタイトルをとることかなと思います。