今年1年、活躍した選手を表彰する陸上の「日本陸連 アスレティックス・アワード2023」が20日に開催され、「アスリート・オブ・イヤー」に世界陸上ブダペスト大会女子やり投・金メダリストの北口榛花(25、JAL)が輝いた。黒いノースリーブのパンツスタイルで登場した北口は「私が目指してるのはもっと上なので、下を見ることなく上を見続けて、自分を成長させていきたい」とコメントした。


優秀選手賞は5人で、世界陸上男子100mで6位入賞を果たし、2大会連続入賞のサニブラウン A・ハキーム(24、東レ)、女子5000mで8位入賞の田中希実(24、ニューバランス)、男子110mハードル5位入賞の泉谷 駿介(23、住友電工)、2大会連続メダルの男子35km競歩・川野将虎(25、旭化成)、3000m障害6位の三浦龍司(21、順天堂大)が受賞した。

北口は今季、日本記録を2度更新した北口は世界ランク1位で迎えた世界陸上ブダペストではフィールド、トラック種目で女子初の金メダルを獲得した。表彰式では「2015年にサニブラウン選手と一緒に新人賞を受賞してから、ずっと憧れてるそんな賞だったので去年も取れると思ってたんですけど、取れなかったので、今回取れて、これ以上どうにかしろって言われてもちょっと難しいところがあるので、今回取れてすごく嬉しいです」と受賞を喜んだ。

来年のパリ五輪について「世界陸上で金メダルを取ったので、金メダルというふうな目標しか言えないというのが事実」と話し、「言うのは簡単ですけどやるのは本当に難しいことだと自分の中ではわかっているので、今年日本記録もに2回更新できましたけど、それで満足することなく、私が目指してるのはもっと上なので、これからもずっと上を見続けて、下を見ることなく上を見続けて、自分を成長させていきたいなっていうふうに思っています」と意欲を見せた。


【受賞者一覧】

■アスリート・オブ・ザ・イヤー
◆北口榛花(25、JAL)
世界陸上ブダペスト女子やり投で、フィールド、トラックで女子初の金メダルを獲得。ダイヤモンドリーグ3勝、ファイナルでも優勝。

■優秀選手賞
◆川野将虎(25、旭化成)
世界陸上ブダペスト男子35km競歩で銅メダル、オレゴン大会での銀メダルに続き2大会連続でメダル獲得。

◆泉谷駿介(23、住友電工)
世界陸上ブダペスト男子110mハードルで5位入賞。世界陸上・オリンピックを通じて日本勢初の決勝進出。ダイヤモンドリーグ(ローザンヌ大会)で優勝。

◆サニブラウン アブデルハキーム(24、東レ)
世界陸上ブダペスト男子100mで6位入賞。オレゴン大会7位入賞に続く、世界陸上2大会連続入賞を果たした。

◆三浦龍司(21、順天堂大)
世界陸上ブダペスト男子3000m障害で6位入賞。ダイヤモンドリーグ(パリ大会)男子3000m障害2位のほか、ファイナルでも5位に入賞。

◆田中希実(24、New Balance)
世界陸上ブダペスト女子5000mで8位入賞、ダイヤモンドリーグ・ファイナル女子5000m6位、ダイヤモンドリーグ・プリュッセル大会女子5000m3位。

■新人賞
◆宮尾真仁(19、東洋大)※連盟選出
醴泉2023U20アジア陸上競技選手権大会男子三段跳でU20日本記録を更新し、金メダルを獲得。

◆瀧野未来(18、京都橘高)※連盟選出
醴泉2023U20アジア陸上競技選手権大会女子400mハードルで金メダルを獲得。

◆村竹ラシッド(21、順天堂大学)※東京運動記者クラブ選出
9月の日本インカレで泉谷の出した日本記録に並ぶ13秒04をマーク。

◆鈴木優花(24、第一生命グループ)※東京運動記者クラブ選出
MGCでパリ五輪のマラソン代表に内定。

※東京運動記者クラブ選出の競技者男女各1名以内と日本連盟選出の競技者男女各1名以内。連盟選出の競技者は12月31日現在、20歳未満。

■特別賞
◆フン・ワンタク(65、香港)
コロナ禍で隔離対応の制限のある中で、国内の競歩大会などにおいて、国際競歩審判員として来日。長きにわたって、日本の競歩界に貢献。
※陸上競技を通じた活動や活躍が広く社会に対して貢献したと認められる者もしくは団体、若干名に授与。