■フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル(7日、中国・北京)

グランプリシリーズ(第1戦~第6戦)の上位6人(6組)で争われるGPファイナルが開幕。初日に男子シングルのショートプログラム(SP)が行われ、イリア・マリニン(19、アメリカ)がショートでは世界初の4回転アクセルを着氷。今季世界最高の106.90点をマークし、首位スタートを切った。

2連覇を狙う宇野昌磨(25、トヨタ自動車)は今季ベストの106.02点をマーク。マリニンにわずか0.88点差の2位で9日のフリーに挑む。GPファイナル初出場の鍵山優真(20・オリエンタルバイオ/中京大)は103.72点で3位、昨年5位の三浦佳生(18、オリエンタルバイオ/目黒日大高)は4位に入った。

“4回転の神”の異名を持つマリニンは、GPシリーズでは封印してきた大技の4回転アクセルを挑み、速報では無効の表示が出ていたが、認定されショートでは世界初の成功となった。その後も4回転ルッツ-3回転トウループ、トリプルアクセルも決め、得点は宇野をわずかに上回る106.90点を叩き出し、首位に立った。

◆ショートからハイレベルの激戦に

6人中4人が自己ベスト「300点超え」と超ハイレベルな戦いとなった今大会。ショートから激戦が繰り広げられた。

2番滑走の宇野は、冒頭で4回転フリップを決めると、続く4回転ー3回転の連続トウループも着氷し、GOE(出来栄え点)も2点台がついた。後半のトリプルアクセル(3回転半)も余裕を持って決めて、ジャンプは全て成功。終盤は幻想的な曲調に合わせ、流れのあるステップとスピンで全てレベル4を獲得し、演技後は右手で小さくガッツポーズをみせた。

NHK杯では回転不足を取られたが、この日はノーミスの演技を披露した宇野。NHK杯で鍵山がマークした105.51点を上回り、この時点で今季ショート世界最高点を出した。

宇野に続き3番滑走の鍵山も圧巻の演技で会場を沸かせた。冒頭の4回転サルコウは完璧な着氷で、GOEは3点台と大きな加点を得て勢いに乗ると、続く4回転ー3回転の連続トウループも高さをみせた。3本目のトリプルアクセルも危なげなく降りると、ロック調のSP曲「ビリーバー」に合わせ、ダイナミックなステップ、スピンを披露。演技後も安堵の表情をみせ、得点は宇野らに迫る103.72点。

日本選手が3人続けての演技となり4番滑走で三浦が演技。冒頭の4回転サルコウでは着氷が少し乱れ、連続ジャンプにはならず。トリプルアクセルはクリーンに決め、後半の4回転トウループに3回転のコンビネーションを入れて序盤のミスを挽回。得点は自己ベストの94.96点に迫る94.86点をマークした。

今季GPシリーズ唯一の2連勝、史上6人目の300点台を叩き出したアダム・シャオイムファ(22、フランス)は、最初の4回転ルッツが抜けてしまい、得点が伸びず。まさかの6位と出遅れた。

【男子ショート結果】
1位)イリア・マリニン 106.90点
2位)宇野昌磨 106.02点
3位)鍵山優真 103.72点
4位)三浦佳生 94.86点
5位)ケビン・エイモズ 93.20点
6位)アダム・シアオ・イムファ 88.36点