実家に帰省するたびに、居間や押し入れに「モノがあふれかえる光景」を見て、頭を悩ませてはいないだろうか。親に「元気なうちに片付けてほしい」と願うものの、「まだ使う」「捨てるのはもったいない」と拒まれ解決にいたらない――そんな光景は珍しいことではない。

親が元気なうちは良くても、将来的にライフステージが変わり、子ども世代が主導して実家の物品を整理・処分するとなると、時間的にも相応の負担がかかるもの。そのため、近年では「親が元気なうちに、家族で一緒に片づける」という実家の片づけに対する意識が広く高まりつつある。

こうした課題に対し、独自の切り口からアプローチしている企業がある。買取専門店として、年間買取件数172万件(2025年度実績)を誇り、全国に店舗を展開する「エコリング」(兵庫県姫路市)だ。

同社はブランド品だけでなく、ノーブランド品も幅広く取り扱う。子どもが遊び飽きた玩具や、使い古して短くなった鉛筆など、本来なら廃棄されるはずだったモノまで可能な限り買い取るスタイルが注目を集めている。

では、なぜ実家の片付け問題は一筋縄ではいかないのだろうか。その背景にある心理と、エコリングが提案する新しいカタチの「実家の片づけ」について、同社で広報宣伝を担う二神健さんと、宅配買取の責任者である田渕晃子さんに話を聞いた。

エコリングは店頭から出張、宅配と幅広い買取コースをご用意

キーワードは「捨てる」のではなく、次へ「つなぐ」という考え方

友人からのプレゼントや配偶者からの贈り物、子どもが幼い頃に使っていた思い出の品など、たとえ長年使っていなくても、年配の方ほど「手放す」という行為に対して抵抗感が強いという。その根底にあるのは、「モノを粗末にしたくない」という強い想いだ。

一方で、子世代の周辺ではフリマアプリの普及などによって、不用品を売却・処分するハードルが下がっている事情もある。こうした世代間の認識のズレが、帰省のたびに感じるモヤモヤの一因となっているようだ。そこで二神さんは、モノに対する「捉え方」を少し変えてみてはどうかと提案する。

株式会社EcoRing SNG 営業本部長 二神 健さん
「モノを捨てるのではなく、次の方へ『つなぐ』と考えていただきたいのです。近年は、中古品や未使用品が再び売買されるリユース(再利用)が注目されていて、その市場規模は2030年には4兆円(※)に達するという予測も出ています。これは、それだけモノを必要としている方がいるということでもあります」

(※):参考、環境省「リユース等の促進に関するロードマップの方向性」検討会資料、経済産業省「電子商取引に関する市場調査」等に基づく業界推計

ただゴミとして廃棄するのではなく、エコリングのような中古品買い取りを行う店舗を利用すれば、使わなくなったモノを必要としている次の人へと循環させることができる。

実際に同社では、一般的なブランド品だけでなく、使い古した日用品や使いかけのコスメ、香水にいたるまで、幅広く買い取る独自のスタイルを展開している。その背景にあるのが、創業者である桑田一成さんの「店舗にわざわざ足を運んでいただいたお客様には、手ぶらで帰っていただきたい」という哲学だ。

エコリングでは、ノーブランド品の衣類をはじめ、使い古した日用品まで幅広く買い取りを行っている

もちろん、状態や品物によっては買い取りが難しい例外もあるが、「持ってきた荷物をそのまま持ち帰るような、残念な思いをさせたくない」というお客様への想いが、この可能な限り断らない姿勢の根底にある。

では、同社がこれほど多彩な品々を買い取ることができるのはなぜだろうか。その理由は、独自の「豊富な販路」にある。

エコリングの主な販路は、自社で運営している業者向けのブランド品オークションと、あらゆる日用品を扱う「道具市」だ。ここでは、たとえノーブランド品であっても、それを必要とする人の手に渡っていく仕組みが整えられている。

エコリングが運営する古物ネットオークション「道具市」の詳細はこちら

さらに同社は、海外への輸出も行っている。買い取った品物の多くは、コンテナ単位でタイ、カンボジア、フィリピンなどへ向かうのだが、豊富な販路を持つからこそ気づけるヒントがここにもあった。

二神 健さん
「日本人はどうしてもブランド志向が強く、少しでもシミや傷があると『もう価値がない』と判断しがちです。しかし海外のリユース市場では、ブランド名だけでなく、デザインの良さや状態そのものも素直に評価されます」

そうした「外の価値観」に触れることで、私たちは身の回りのモノが持つ可能性に改めて気づかされる。国内外に多様な選択肢を持つ同社が、そのうえで何よりも大切にしているのが「モノとの向き合い方」だ。

二神 健さん
「単なる商売の効率だけを考えれば、『これは〇円ですね、はい次』と流れ作業のように処理してしまうこともできます。しかし、私たちの鑑定士は、目の前のお客様の想いを置き去りにするような接客はしません。お持ち込みいただく品々には、お客様にとって『大切な思い出』が詰まっています。一つひとつの商品を『大切な品物』として扱い、お客様の想いとしっかり向き合う。その『丁寧さ』こそが、私たちの強みです」

また、接客スタイルにも同社ならではのこだわりが見られる。同社の鑑定士は常にカウンター越しに、利用者の目の前で査定を行う。厳しい社内試験をクリアしたプロの鑑定士が、持ち主と直接会話を交わし、品物の価値を共に見出す時間を大切にしているのだ。

エコリングの「出張買取」サービスの詳細はこちら

自分のペースで進められる「宅配買取」という選択肢

店頭の査定だけでなく、「対面での査定には少し気後れしてしまう」「大量の荷物をマイペースに整理したい」という人に最適なのが、自宅にいながら完結する「宅配買取」サービスだ。

申し込むと梱包資材や伝票が届く「宅配キット」と、集荷日時の予約ができる「スマート集荷」の2通り用意されている。宅配キットを利用する場合、届いたダンボールに買い取って欲しいものを詰めて送るだけで、査定から買取・同意の手続きまでを自分のペースで進めることができる。この非対面のサービスにも「エコリングならではのこだわりがある」と、宅配買取部部長の田渕晃子さんは話す。

株式会社エコリングCS 宅配買取部部長 田渕 晃子さん
「宅配の箱を開けると、綺麗に梱包された品物が一番上に置かれていることがあります。対話はできませんが、『これはきっと、お客様にとって一番大切にされてきたお品物なんだな』と想像することができます。そこで、お客様にその品物にまつわるエピソードを書いていただき、私たちの鑑定士がそれを拝見して、査定結果にメッセージを添えさせていただく『思い出買取』という用紙をご用意しています」

一般的には、細々としたものは一括りで査定されることも多いが、エピソードが添えられた品物に対しては、あえて個別の項目を作り、独自の値段をつけることもあるという。

自宅に届くダンボールに品物を詰めて送るだけで査定が完了する、エコリングの「宅配買取」サービス

田渕 晃子さん
「金額そのものを大幅にプラスできるわけではありませんが、「自分の想いをわかってもらえた」という体験が、名残惜しい中で思い出の品を手放したお客様の心を軽くすることにもつながります」

エピソードを書く行為は、鑑定士にその想いを伝えるだけでなく、大切なモノを手放す際の自身の心の整理にもつながるのだ。また、この宅配買い取りサービスならではの有効な活用方法もあると田淵さんは続ける。

田渕 晃子さん
「どうしても手放せない、踏ん切りがつかないというお客様には、『いらないかもしれないと思うものを一度箱に入れて、封をして、1年後の日付を書いてみてください』とアドバイスしています。そして1年後、その箱を一度も開けなかったら、もうそれは不要なものだと判断して、そのままお持ちくださいと。そうやってご自身のペースでモノと向き合う時間を作ることも、整理のコツなんです」

こうした買い取りサービスを利用した場合、自分では気づかなかった「品物の価値」を再発見するきっかけにもなりそうだ。

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処分する前にプロの目へ、実家に眠る意外な需要と価値

「品物の価値」を再発見するのは、何も想いだけではない。自分にとっては不要なものであっても、市場では意外な価値を持つケースがあるという。

二神 健さん
「代表的な例としては、古いゲーム機やゲームソフトが挙げられます。もう動かない故障品であっても、海外では自分たちで修理して使ったりパーツ取りの需要があるため、お値段がつくケースもあります。また、バブル期にゴルフコンペなどでもらったトロフィーは、実は銀で作られているものが多く、金額をお伝えすると、皆様大変驚かれます」

一方で、何でも買い取るとはいえ、法律の壁によってどうしても買い取れないものも存在する。

二神 健さん
「例えばお酒。ウイスキーやブランデーは買い取れますが、酒類販売免許の区分上、日本酒や焼酎などは取り扱いができません。また、家庭用の血圧計などは『医療機器』に該当するため、法律上買い取ることができません。業務用のマッサージ機なども同様です。そうしたお品物については、理由を丁寧にご説明し、お客様にお返しさせていただいております」

このように、法律に則った誠実な対応と、利用客の想いに徹底して寄り添う姿勢。この2つが両立しているからこそ、同社は多くの人から信頼され、大切な思い出の品を託されているのだろう。

社会貢献活動「えがおプロジェクト」などが広げる、これからのリユース

捨てるのではなく次に必要としている人のもとへ価値をつなぐ――。エコリングのこうした哲学は、SDGsや環境保護といった社会貢献にも直結している。

その代表的な取り組みが、利用者の「買い取り料金を寄付に充てて欲しい」という声から生まれた「査定金額から寄付」の仕組みだ。これは、宅配買取を利用した際、自身の査定金額の中から応援したい支援先を選んでそのまま寄付ができるという、同社ならではの身近な社会貢献サービスである。

その寄付先の一つである「えがおプロジェクト」は、賛同する企業や施設などに専用の寄付BOXを設置して品物を集める活動なども行っており、この仕組みやBOXを通じて集まった資金・物品は、アジアの子どもたちへの文房具の寄贈など、海外での幅広い支援活動に役立てられている。

「査定金額から寄付」についての詳細はこちら

また、同社ではこれとは別の社会貢献活動として、児童養護施設を卒業して社会へ自立していく子どもたちを支援する「天使プロジェクト」がある。彼らの新たなスタートを支えるため、新生活に必要な家具や家電製品を自社の倉庫の中から提供しているほか、店舗のカウンターに設置された外貨募金箱の寄付金を元手に、新品のノートパソコンを購入し、施設へプレゼントするといった活動を続けている。

こうした活動は、企業としての社会的責任を果たすだけでなく、現場で働く社員たちの誇りにもつながっているという。

実家の片づけは、単なる不用品処分ではない。親から子へ、そして社会へと価値をつないでいくポジティブな行動だ。今年の夏は、帰省のスケジュールが決まったその日に、買い取りサービスの準備を始めてみてはいかがだろうか。これが、家族の絆を深める新しいきっかけになるかもしれない。