福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える『老舗物語』。今回は、半世紀続くコンクリート会社です。仕事も遊びも本気で取り組むという2代目が会社はもちろん、地域を盛り上げるため奮闘しています。
コンクリートが型枠へと流し込まれ、こちらでつくられているもの、それは・・・
--桒原義昌さん(桑原コンクリート工業 2代目)「打ち込んだばかりはこういうボコボコした感じですが、職人がキレイに仕上げる。こちら側が道路、こちら側が歩道なんです、縁石ブロック。あれがU字溝です。」
こちらは、田村市船引町で道路の工事などで使われるブロックなどのコンクリート製品の製造や生コンクリートをミキサー車で現場まで運ぶ、生コン事業を行う「桑原コンクリート工業」です。
代表を務めるのは、桒原義昌さん10年前に2代目として会社を受け継ぎました。
--桒原さん「“コンクリート屋の息子”と言われるのが恥ずかしいというか、どこに行っても“コンクリート屋の息子”と言われるから。」
現在、会長を務める父・正男さんが昭和49年に創業。コンクリート製品をつくる設備も手作りからのスタートだったそうです。その工場が遊び場のように育った桒原さんですが・・・
--桒原さん「会社をまず継ぐ気がなかったわけですよ。高校を卒業して父親には大学に行けと言われながらも、大学なんて行ってられないと思っていて。自分は寿司職人になりたい、板前になりたいと思っていたところに、学校に父親が乗り込んで来て“大学に行かないならもう修業する就職先を決めてきましたから”と。」
夢をあきらめ、父親に言われるまま県外のコンクリート会社に就職。数年後、父親の会社で専務として働くことになりました。
--桒原さん「“ものづくり”というのが好きで、気づいたらもうはまっていたというか、この会社でいつの間にか社長の地位まできちゃったというのが正直ですね。」
地域に根付いた会社として半世紀。今では“クワコンさん”の愛称で親しまれる会社になりました。そんな桒原さんが大事にしていること、それが・・・
--桒原さん「本気で遊ばないとダメなんですよ、仕事も本気。全て本気だとまわりが認めてくれるんですよね。無を有にするということを一番大事にしているので、ないモノはつくる。」
コンクリート会社、また地域をアピールする上でこんなものまで作ってしまったのです。
--桒原さん「これは“生コンクリート風ソース”というソースです」。
まるで生コンクリートのような色のソース。中濃ソースをベースにゴマやコショウで仕上げたソースで、冷や奴や、揚げ物などにも相性抜群なんです。ラベルにもミキサー車が描かれ、クワコンの文字も。

--桒原さん「この色はなかなか出せないですよ。一般の人が考える生コンの色はグレーですけど、グレーだけじゃなくもっとリアルに、業界でいうと青っぽいような、茶色っぽいようなところにこだわって。」
こちらのソースの販売を始めたのが5年ほど前。購入は、こちらの会社、または田村市の直売所のみ。
--桒原さん「これを買いにウチの会社に来て欲しい、田村地域に来て欲しいという思いがあって。コンクリート製品は一般の人も買えるんですか?という問い合わせもあったりするので、地元でしか買えないようにしている。」
さらに先月から、新たな商品の販売もスタートしました。
--桒原さん「生コンクリートカレー、自信ありますね!味もいいですけど!」
パッケージにはミキサー車からまるで生コンクリートのように注がれているカレー。さて、実物は?
--桒原さん「こんな感じですね。生コン色です。食べた瞬間はホワイトシチューのような感じ、だんだんスパイスが効いてくる。竹炭パウダーで色をつけている。」
販売からわずかですが、遠方からも買いに来るお客さんもいるそうです。
--桒原さん「混ぜた時の質感が(本物のコンクリ-トは)砂利・砂が入ってくるのでさらにリアルになるんですよ。食欲は増さないですね、でも味は保証します。そうやってこの業界も知って頂ければ、うちの会社も知ってもらうきっかけになればいいかなって。」

なんともユニークなアイデアですが、さらに桒原代表の趣味から大きなイベントを開催した経験も。
--桒原さん「バイクが趣味で。これが60年前のスーパーカブです。手軽に乗れてタフなんですよ。ものすごくいいですよね。カブは燃費もいいし!」
震災後、なんとか地域を盛り上げようと趣味であるバイクの中でもスーパーカブ好きが集まれるイベントを立ち上げ、5年に渡り開催しました。
--桒原さん「自走で乗ってきた人で一番遠いのが静岡県浜松市。車に途中まで積んで来た人だと京都、北は北海道。カブを乗っているのが若い人から年配の人までマニアがすごいので。幅広い世代に田村市をPR出来る。」
5回目には1500人ほどが集まる大イベントになりました。5回だけと決めてはじめたイベント。2019年を最後に開催はしていませんが、コロナも落ち着き今年復活させ、また地域を盛り上げたいと考えています。
--桒原さん「会社自体は、息子に引き継いでもらって地場産業として“クワコンがこの地域にあって良かったね”と言われる会社を残さなくてはいけない。イベントに関しても、地元のお祭りとか盆踊りとか伝統的なお祭りがなくなってきてるので、それに替わる若者がこられるイベントを我々がやっていったほうがいいと思ってます。一回でもいいから、失敗してもいいからやってみたいことはいっぱいありますね。」
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2026年4月9日放送回より)














